また、購入した株式などの保有が5年を超えることもできない。ということは、投資した株式などを5年以内に売却することが主な選択肢になる。5年を超えて保有を続ける場合には、ロールオーバーは手続きをしないとできない。原則として一般の口座に移行するのだが、その時の移行価格は、その時点の時価になる。

 それは投資家にとって、かなり不利になる可能性がある。例えば、100万円で購入した株式が、5年後、90万円になっていると、一般口座に移す時の価格は90万円になる。その後、100万円に戻って売却すると、本来、売却益は出ないはずなのだが、持ち値が90万円に変わっているため、10万円の利益が発生し、利益の20%の税金を払うことが必要になる。

 しかも、一般口座では可能な損失と利益を合算できる損益通算や、発生した損失を3年間繰延して税負担を軽減する措置も許されない。これらは、投資家にとってかなり無視できないデメリットになる可能性が高い。

いかにNISAを賢く使うか

 わが国のNISAでは対象となるのが上場株式、公募投信や不動産投信などに限られているため、投資の組み合わせはかなり限定的となる。しかも、期間5年であるため、基本的には5年以下の中期的な投資を検討することになる。

 一般的に頭に浮かぶのは、配当率が高い株式を保有することだろう。今年1月からのNISAで買われた株式の銘柄を見ると、武田薬品やみずほ銀行など配当率が相対的に高く、しかも比較的株価の変動が少ないと見られる企業の名前が並んでいる。NISAを使って配当にかかる税金をなくし、投資効率を引き上げようという意図が見える。

 ただ冷静に考えると、保有している間の株価変動のリスクがあり、配当だけでその株価変動のリスクに見合ったリターンが得られるか否かは不透明だ。むしろ、配当だけを考えるのであれば、不動産投信(REIT)の方が効率は良いかもしれない。

 元々、不動産投信は、景気が回復してテナント料や不動産賃貸料が上がれば、その分で配当は増加することも期待できる。また、基本的に不動産という有形の資産が担保のような格好で存在することもあり、投信自体の価格変動は、株式のようには大きくないはずだ。そこはねらい目でもある。