知られざる
「4.11」直下地震

 3月13日に、自社の無料送迎バスと地元のバス会社にお願いをし、630人を乗せ、東京に向かいました。トイレや食料が調達できる場所は確認していましたので、大丈夫でした。とはいえ最悪のケースを考え、売店からまんじゅう、煎餅、クッキー、チョコレート、飴、漬物など食べられるものをかき集め、バスに詰め込みました。後日お客様から「あのときのまんじゅう、お腹空いてたんで助かりました」とかですね、「チョコレートおいしかったです」というお話も頂戴しました。無事到着、お客様がご自宅に帰られたのを受け、3月14日からハワイアンズは休業状態に入りました。

 あまり知られてないんですが、3月11日の1ヵ月後、4月11日の17時16分にも大きな地震がきました。いわき市では3.11も4.11も震度は同じ6弱でした。

 ところがですね、地震の内容がまったく違うんです。3.11は横揺れでしたが、4.11は縦に揺れる地震だったんです。4.11の時は少数のスタッフと一緒に施設にいましたが、偶然にも館内の同じ場所で地震に遭いました。

 4.11の時には、歩いていたら縦揺れがきたんです。ロープを地面に置いて縦に揺らすと、蛇のように波打ちますよね。まさに廊下がそのような状態で激しく上下に波打ちました。もうこれで一巻の終わりかと思いました。

 翌朝施設を見てびっくりです。建物の一部が大きく損壊していたのです。

 施設内に断層が走っていて、大きな揺れで断層がずれてしまったんです。いわき市は地域によっては1ヵ月近く断水をするなど、3.11以上の被害を受けました。

 このように壊滅的被害を受け、「ハワイアンズは大丈夫なのか、このまま潰れちゃうのか」と。「もうダメだ」という声も聞こえてきました。

 残った社員がやる仕事っていうのは、掃除と片づけの毎日でした。そうすると、本当にいくら頑張ろうとしても、気持ちが折れそうになります。未来につながる仕事を一切していませんし、会社は収益がありませんから、先行きが見えない。

 そんな中、声をかけてくださったのが長崎のハウステンボスさんでした。

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