問題発見能力や学力の向上など多くの教育効果

 SSHを導入して5年、様々な教育効果が現れ始めています。まず外部コンクールでの実績は顕著で、昨年度は国内外合わせて40名以上の生徒が入選しました。視点の独自性が光るものが入選傾向にありますが、下敷きの音の振動数を測定したり、シャボン膜に音を当てるなど、その題材はいずれも身近なもの。それは何気ないものに着目してみようという本校の「なずな精神」に通じるものです。先入観のない高校生には我々教師からすると予想もしないことが見える。そのような“発見の感動”をいかに教師が見出し、励まし、推進していくか、その積み重ねが課題発見能力の育成につながっているのだと思います。

 そして学力も劇的に向上しました。現在の定期テストはすべて実験から出題する記述式。問題集をこなせば何とかなる記憶型の学習では対応できず“本質を答える力”が求められます。しかし従来と比べても得点率は下がっておらず、結果的に大学受験では理数科目が必須となる国公立の合格者が圧倒的に増えました。最後の最後で問われるのは、本物の現象を自分の目でしっかり確かめてきたかどうか。それが、小手先ではない本物の実力として生徒の中に培われてきたのだ自負しています。

 本校の生徒は多くの実験を通じて科学の面白さに目覚め、探究活動を続けています。すべての子どもたちには自分の好きなことを追求し、実現できる大人になって欲しいですね。それは科学でなくても良いのです。自分の好きなことが一番努力できるし、成長できる。市川学園はそのような情熱を共有し、夢に変えていくための教育に取り組んでいます。

 

PROFILE
細谷哲雄(ほそや・てつお)
市川中学・高等学校 理科主任。東京理科大学卒業、理学修士。物理・数学を中心に様々な現象に興味を持つ。それらの経験を生かした課題研究の指導で平成22年度朝日新聞千葉総局長(指導者)賞、平成25年度文部科学大臣優秀教職員表彰を受けた。現在SSH運営の責任者である。

 

[制作/ダイヤモンド・ビッグ社]