ビジネスエリートたち向けの上級サービス
創造力育成のきっかけになる本を紹介する「SERENDIP」

「SERENDIP」が前述した「Quickreads」と大きく異なるのは、企業経営幹部を対象として本を厳選している点だ。本の選定は毎週1回、社内スタッフ、ライター、顧客である企業経営幹部、出版社からの情報などを持ち寄って行われている。

「プレゼン能力や企画力といったビジネス・スキルの本も含まれますが、メインとしては視野拡大や創造力育成のきっかけになったり、人間力を育てる肥やしになるような本を目利きして選んでいます。また、書店に行っても、ふつうは自分の興味のあるコーナーにしか足を運びませんよね。ですから、自分の業務以外にも興味を持ってもらうきっかけをつくるということも意識しています」

 分野は国際社会や文化、歴史、哲学、心理学、経営者の思考など、いわゆるリベラルアーツも含め、多岐にわたっている。例を挙げると『レイヤー化する世界』(NHK出版)、『寿命100歳以上の世界』(阪急コミュニケーションズ)、『ミツバチの会議』(築地書館)、『国際メディア情報戦』(講談社)、『日本の人事は社風で決まる』(ダイヤモンド社)、『「勇気」の科学』(大和書房)などだ。

 藤井社長は自身の体験を例に、次のような「SERENDIP」の効果を挙げている。

「SERENDIPで取り上げた『未来を変える天才経営者 イーロン・マスクの野望』(朝日新聞出版)のダイジェストを読んだ後、ある日本企業にイーロン・マスクが苦言を呈したというニュースをたまたま見たんですね。じつは、私はダイジェストを読んで初めて彼の存在を知ったんですが、ポルシェよりも速い電気自動車をつくり、民間で初めて国際宇宙ステーションドッキングに成功するなど、スティーブ・ジョブズを超えた発明家という情報を得ていたので、ニュースの見方が変わりました。ダイジェストを読んでいなかったら、気にもとめなかったでしょう。もちろんその後、この本を読んでさらに感銘を受けました。このように、アンテナが1つ本立つということが、視野の拡大や気づき、創造につながっていくのだろうと思っています」

 次々と出版され、好奇心をくすぐられる本。日々の仕事やスキルアップに追われ、それを選ぶのも読むのもままならないビジネスパーソンにとって、「Quickreads」や「SERENDIP」の利用価値は高いといえるだろう。