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スマートフォンの理想と現実

相性がいいスポーツと通信・放送テクノロジー
W杯や東京五輪を10倍面白くする技術の実現度は?

クロサカタツヤ [株式会社 企/株式会社TNC 代表]
【第63回】 2014年6月18日
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2022年FIFAワールドカップ日本招致構想

FIFAハイパーアプリケーション 自動翻訳機能(49秒)

 スマートデバイスを介して音声会話が瞬時に自動翻訳され、言葉の壁を乗り越えて多くの人がコミュニケーション可能になる。機能としては単純なことだが、この実現を多くの人が夢見てきたし、ワールドカップやオリンピックのような、世界中の人が集まる場所においては、必要不可欠な機能でもある。

 要素技術は、すでに商用化されている。音声認識はスマートフォンを中心に日常のものとなりつつあるし、テキストデータを対象とした自動翻訳の性能も上がってきた。そして翻訳結果を音声合成することも、聞き取るだけであれば十分なレベルにある。それらを自然な形で統合する動きも、すでに始まっている。

 より高度で自然な形でのサービス提供、たとえば文脈に依存した自然な解釈、人間の肉声に近い合成音声というところまで目指すなら、まだ開発の余地があるだろう。一方それらは、理論的な研究開発よりも、データの蓄積による精度向上といった、実践的な事業開発でこそ、磨かれるもの。

 その意味で、すでに関心の対象は、商品としてのブラッシュアップ、すなわちサービスレベルの要求水準をどこに設定するか、に移っている。そしておそらくこのトレンドは今後ますます強化されてだろう。そして東京五輪では、災害発生時の誘導等を視野に入れると、期待どころか必要不可欠なものとして、位置付けられていくだろう。

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クロサカタツヤ
[株式会社 企(くわだて)代表取締役、慶應義塾大学特任准教授]

1975年生まれ。慶應義塾大学・大学院(政策・メディア研究科)修了後、三菱総合研究所にて情報通信分野のコンサルティングや国内外の政策調査等に従事。その後2007年に独立し、現在は株式会社企(くわだて)代表として、通信・メディア産業の経営戦略立案や資本政策のアドバイザー業務を行う。16年より慶應大学大学院政策・メディア研究科特任准教授。


スマートフォンの理想と現実

2011年はスマートフォンの普及が本格化する年になる…。業界関係者の誰しもがそう予感していた矢先に発生した東日本大震災は、社会におけるケータイの位置づけを大きく変えた。しかし、スマートフォンの生産に影響が及びつつも、通信事業者各社はその普及を引き続き目指し、消費者もまたそれに呼応している。震災を受けて日本社会自体が変わらなければならない時に、スマホを含むケータイはどんな役割を果たしうるのか。ユーザー意識、端末開発、インフラ動向、ビジネスモデル等、様々な観点からその可能性と課題に迫る。

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