それに、世帯数の今後の予測を見ると、それほど大きく減少しない。先に人口減少に触れたが、賃貸住宅経営において重要な指標は人口数より世帯数だ。国立社会保障人口問題研究所の予測によると、単独世帯と呼ばれる1人暮らし世帯は、ほぼ全国各県(北海道以外)で増加する。

 この1人暮らしの方々は、その多くが賃貸住宅に暮らすと推測される。こうした社会情勢の変化が地方都市においても起こることを考えれば、賃貸住宅建設が増えているのも頷けるし、賃貸住宅経営が成り立つということも想像できる。

一括借り上げでも
赤字経営の可能性あり

 賃貸住宅経営について考えだすと、必ずと言っていいほど「一括借り上げ」という言葉を目にすることになる。CMでも盛んに流れるため、一度や二度は聞いたことがあるという人も多いだろう。

 簡単に説明すると、建物(部屋)そのものを管理会社が、(一括して)借り上げて、管理会社が入居者に貸すという形態をとり、オーナーには満室想定の一定の割合(85~90%)程度を支払うという仕組みだ。

 ここまで聞くと、一括借り上げがあるから、満室にならずに苦労することもないではないか、と思うかもしれない。しかし、これには落とし穴がある。

 空室が続くようなら一定年の契約期間終了後、賃料の見直しが行われ、オーナーへの支払いが減るのだ。

 テレビのCMでは、「一括借り上げだから安心」と謳っているが、そんなことはない。重要なのは、建築時に想定していた利回りが保証されているという訳ではないということだ。空室が続くようなら、利回り低下どころか、賃貸住宅を建てたローンの返済に見合う賃料収入がなくて、赤字という悪夢もありえるのだ。

女性向け物件など
商品開発が進んでいる

 したがって、一括借り上げという制度があろうがなかろうが、賃貸住宅経営において、何よりも重要な事は空室が出ないようにするということだ。

 では空室が出ないためには、どのようなポイントがあるのだろうか。以下に2つ挙げよう。

①間取り、内装、設備などが入居者のニーズに合っていて、築年数が経っても古さを感じさせないこと
②賃料設定が周辺物件と比べて適切であること

 ①について例を挙げると、大和ハウスが分かりやすい。同社は女性のニーズを取り込んだ設備品(洗面、トイレ、風呂など)、セキュリティーを備えた賃貸住宅を売りにしている。こうした入居者のニーズを反映させている物件は、賃貸住宅経営で成功するためには必須の要素だ。