今の投資銀行は欲の塊です。
迂闊に信じないほうがいい

「もはや私も幹部さえもよくわからないデリバティブ(金融派生商品)が複雑怪奇なスキームで設計されて、利益のために強引にセールスが展開されています」
「そんなことが……」
「今の投資銀行は欲の塊です。迂闊に信じないほうがいい」
 衝撃的な予言を残し、彼は本当に投資銀行を辞めていった。

 とはいえ、サブプライム危機があれほどの混乱を引き起こすと予測する人は、まだそれほど多くなかった。
 2007年の夏は猛暑になった。天気も金融市場も思い通りに動くはずはない。
「日本はまだ大丈夫」
「アメリカが減速する分だけ、逆に日本にチャンスがある」

 周囲からは楽観的な声も聞こえてくる。なんにせよ実際に起こる事態に、機敏に、適切に対応するしかない。私自身、サブプライム危機に対しては、どこか「対岸の火事」と感じているところがあった。(つづく)


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『30歳で400億円の負債を抱えた僕が、もう一度、起業を決意した理由』

早すぎた栄光、成功の罠、挫折、どん底、希望……
「すべての経営者にとっての教訓だ」――藤田晋
「150%の力で走る起業家の現実を読んでほしい」――堀江貴文

起業した会社を上場させ、倒産して地獄を味わい、そこから復活するまでに経験した出来事から、私はたくさんのことを教えられた。 なぜ私は地獄を味わうことになったのか。 なぜ私は復活できたのか。 この5年間の出来事と、私自身が考えてきたことを、正直に書き留めておこうと思う。

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目次
○プロローグ  ベンチャー経営者であることを
○第1章 絶頂──ワンルーム販売から、総合不動産業。そして都市開発へ
○第2章 暗雲──「傲り」を象徴する出来事が僕を蝕み始めていた
○第3章 地獄──暗闇の断崖を転げ落ちながら必死でもがき続けた
○第4章 奈落──民事再生、自己破産、絶望しそうな淵の底で
○第5章 希望──2年間は修行と決めて真にやりたい事業を見つけ出す
○第6章 感謝──どん底で知った感謝とともに新しい道を歩いていく