「添削」と「お手本」が、
伝達力アップの2つの方法
白川敬裕(しらかわ・たかひろ)
弁護士(東京弁護士会所属)、原・白川法律事務所パートナー。 東京大学法学部卒、ラ・サール高校卒。 1975年、福岡県北九州市生まれ。大学4年在学中に司法試験に合格。24歳で裁判官に任官。民事訴訟、医療訴訟、行政訴訟、刑事訴訟等の合議事件に関わる。民事保全、民事執行、令状等も担当。 2003年、弁護士に転身。 著書に『ビジネスの法律を学べ!!』『憲法がヤバい』(共に、ディスカヴァー・トゥエンティワン)、2014年7月まで「ビジネス法務」(中央経済社)にて「民法改正KEYWORD」を連載。共著に『会社の健康リスク対策は万全か』(フィスメック)がある。 NPO法人 日本融合医療研究会副理事長
私は、メールを送るときも、この「3つの要素」を意識しています。
メールの場合は、「件名」が「(1)問題意識」に該当します。「件名」には、「何の用件なのか」をはっきりと書くといいでしょう。
そして、もっとも伝えたい「(2)結論」をはじめに述べて、その「(3)理由づけ」を列挙するという形式が、相手に伝わりやすいです。
ただし、メールの場合は、要点を簡潔に伝えようとすると、相手に「無機質な印象」を与えかねませんので、「挨拶文」「近況報告」「時候の挨拶」「追伸」などを添えて、温かみを演出することも必要です。
伝達力をつけるには、次の「2つ」の方法が有効です。
(1)「添削」を受ける
自分で作成した文章を、客観的に評価してもらうことが大切です。
私が裁判官だったときは、私が起案した判決文を、上司の裁判官がチェックしていましたし、裁判官研修で民間企業に派遣されたときは、企業の方にビジネス文書の添削をしていただきました。
伝達力は、文章力のある第三者に添削をしてもらうと、上達も早いですし、書き方のコツがわかってきます。
(2)うまい人の文章を「お手本にする」
学生のころは、自分よりも成績がいい人が書いた「論文」を見せてもらって、書き方を真似していました。弁護士になったいまでも、いいお手本を見つけると、「文章の表現を参考にすること」があります。
先日も、ある弁護士が「人権という普遍的原理を縦糸に、歴史や文化を横糸にして……」と表現しているのを聞き、「縦糸と横糸という表現は非常にわかりやすい。今度、自分でも使ってみよう」と思ったことがありました。
表現力のある人の文章を「お手本」にするのも、伝達力アップの近道です。
自分の頭の中では論理的に考えているつもりでも、文章や言葉として表現できなければ、相手に「わかりやすく伝える」ことはできません。
論文やレポートを作成するときは、「(1)問題意識」「(2)結論」「(3)理由づけ」の3つを盛り込んだ構成を考えましょう。
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