経営 × オフィス

メリットは多いのに、
なぜ、女性テレワーカーは増えないのか?
――調査結果から見えてくる意外な現状と課題

河合起季
【第5回】 2014年7月25日
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 しかし、富士通マーケティングやNTT東日本が、保育園や幼稚園向けに、クラウドを使って園児の入退園管理や自治体への報告書作成などを行うサービスの提供を始めたように、これまで不可能と思われていた仕事もテレワーク化している事例がどんどん増えている。

 いまや保育士のバックオフィス業務もテレワークで済むような時代。導入が進めば、保育士の事務負担が大幅に軽減され、現場の保育業務により力を注げるようになるはずだ。

 要は、やる気とアイデア次第でテレワークの効果は大きく変わってくるということ。前述した日本IBMはトップダウン型、NTTデータはボトムアップ型でそれぞれ先進的な取り組みをしている。テレワークの導入企業を増やすには、こうした企業の成功事例を広く世の中に知らしめることも必要だろう。

女性が活躍できる
組織風土づくりも企業の課題

 では、企業がテレワークを導入後、スムーズに運用していくために必要なこととは何だろう。

 「育児や介護の中心的な担い手が女性であるからといって、女性のテレワークだけをどうにかしようという意識だと、やはり難しいでしょう。女性を活用するというところからスタートしてもいいのですが、会社として業務の生産性や効率を高めることを目的に運用すべきです。その活動の中で、女性が働きやすい職場になって、キャリアを積みやすくなれば、自然と女性の社員や幹部が増えていくでしょう」(江連主任研究員)

 働く女性からは「仕事を継続することを簡単に諦めない、しなやかで強い心を持つ必要がある」という意見も多い。企業としては、ワークライフバランスのニーズに応えるテレワークの導入とともに、女性が活躍できる組織風土づくりに努める必要がありそうだ。

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