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メールを1通見ると、仕事は22分中断!
不要な情報を捨て去るセンスはどう磨く?
――ノリーナ・ハーツ氏に聞く

大野和基
【第43回】 2014年7月24日
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――CEOであると、あまりにも意思決定することが多すぎて、しかも時間がないと“ショートカットする、つまりあまり考えないで決めてしまうこともあるようですが。

ハーツ:私は多くの一流CEOや政治リーダーにもアドバイスをしますが、時間があるときは、ゆっくり時間をとって意思決定をするようにアドバイスします。でも時間がなくてショートカットをしなければならないときもあります。

 そういう場合、過去の経験に頼ることが多い。これには間違ったステップを取ってしまうという危険があります。世界があまりにもはやく動いているために、過去の経験が必ずしも将来に対して正しい手掛かりを提供してくれないという危険性があります。

“居眠り”していたノキア

 フィンランドのノキアという会社を例にとりましょう。ノキアは2007年までは世界最大の通信企業でした。携帯電話10台のうち4台がノキア製でした。

 ところがアップルがiPhoneを発表したとき、ノキアの経営陣はまさに「仕事中に居眠り」をしている状態でした。それまでノキアを成功に導いてきた要素は「落としても壊れない頑丈な端末」でしたが、それが将来も成功を保証すると経営陣は思い込んでいたのです。

 “ショートカット”は過去の視点にとらわれることになるので、これほど速く動いている世界では、簡単に道に迷ってしまいます。

――本の中では専門家は完ぺきではないという観点から、興味深いエピソードをたくさん紹介しています。我々は、専門家は自分よりもはるかに知識があると思い込んでいます。

ハーツ:エデルマンという大手のPR会社がCEOを対象にグローバルな調査を実施したところ、CEOがもっとも信頼しているのは専門家だということがわかりました。過去5年の調査結果ではずっとそうです。医師や教授は信頼されていますが、信頼しているのは何もCEOに限ったことではなく、一般人もです。白衣を着ると、尊敬されるわけです。

我々は専門家の意見を
無条件に信用してしまう

ハーツ:もっとおもしろいのは、ファイナンシャルアドバイザーの話を聞いている間、アドバイスを受ける人の脳をスキャンした実験があります。専門家が話しているとき、聞き手の脳内の、独立した意思決定を司る部位をスキャンすると、そのスイッチがオフになっていることがわかったのです。

 信じられないくらいですが、我々は本当に専門家の意見に服従するのです。でも専門家は間違うことも多い。ほとんどの経済学者は金融危機も予測できませんでした。

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