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メールを1通見ると、仕事は22分中断!
不要な情報を捨て去るセンスはどう磨く?
――ノリーナ・ハーツ氏に聞く

大野和基
【第43回】 2014年7月24日
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 たとえば、毎日の睡眠時間が4時間で1週間過ごしたあと意思決定した場合、それは泥酔の状態で意思決定するのに等しいことがわかっています。

 また、イギリスには有名な「MI5」という諜報機関がありますが、ロンドン市内で爆破事件など深刻な事件が起きた場合、MI5の長官は「まずMI5にいる重要な人たちが、まともな精神状態で意思決定ができるように、家に帰らせて十分睡眠を取るようにします」と私に言いました。

 あるいは、クリントンが大統領であったとき、最悪の意思決定は、十分睡眠を取っていないときであると言っています。

仮釈放の決定と
裁判官の空腹感の関係

 空腹時に意思決定をするな、ということについてですが、誰が食べることが意思決定に影響すると思ったでしょうか。

 イスラエルで行われた興味深い研究があります。裁判官が仮釈放を許可した場合に、その理由を調査したのです。仮釈放を申請した犯罪者の性別に関係しているのか、犯罪の中身に関係しているのか、犯罪者の人種に関係しているのか。

ノリーナ・ハ-ツ氏の最新刊『情報を捨てるセンス 選ぶ技術』(講談社)

 ところが唯一の決定要因は、裁判官が食事をとったかどうかでした。つまり裁判官が午前中の休憩時間に軽食を取る前に申請すると、結果はひどい。仮釈放の許可をもらえる可能性はゼロに近い。でも軽食を取ったあとであれば、それが65%にまで上がったのです。昼食の直前の場合10%にまで落ちて、昼食後は65%に上がりました。

 感情の状態も意思決定に影響します。おもしろい映画を観たばかりであれば、人を信用しやすくなっています。天気がよくて機嫌がよければ、ウェイターに渡すチップが増える傾向があります。

 我々の意思決定には不合理な要素が本当に入ってきます。感情的になってはいけない、と言っているのではなく、空腹や怒りや疲労などが意思決定に大きな影響を与えることを念頭に置くだけで変わってきます。

 そして、一歩下がって、できるだけ1日のできるだけ遅い時間に意思決定をするのがいい。事実は刻々と変わるからです。もしあなたがCEOなら、できるだけ1日の遅くまで待って取引をするのがいい。特に今のような時代にはそういうことが重要です。

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