僕は絵で世の中を見ている

――とすると、樋渡さんの発想の源って、なんでしょうか。

 成毛眞(書評サイトHONZ代表、インスパイア取締役ファウンダー)さんから言われて「なるほど!」って思ったのが、「樋渡さんは絵で見てるよね」っていうこと。僕は絵が大好きなんですよ、絵画が。だから「絵で世の中を見てるでしょう」って言われて、そうかって思いました。静止画みたいにして。「これいいよね」って。

――東京の三鷹市に、技術開発型の有名な中小企業があるんですが、そこの社長さんに「どうやって技術開発するんですか?」って尋ねたら、イメージをすぐポンチ絵(概略図、構想図)に描けないとダメだ、と。

 そうそう、僕もそうです。僕もすぐポンチ絵描けますもん。僕は政治家なんで、絵で見たものを現実に表現するっていうことですよね。だから僕はこの図書館を造る時に最初に職員に言ったのは、「居心地が良い感じを造ってくれ」、それから「僕の満足するように造ってくれ」ということです。

武雄市図書館の外観。開館時間は9時~21時で、365日オープンしている。後ろにそびえるのが、武雄のシンボル三船山
Photo:DOL

――でも本当、びっくりしましたね。やっぱり百聞は一見に如かず。素敵っていうか、映画で見るヨーロッパの図書館を彷彿させるし、「もしかして俺って知的な人間なんじゃないか」って、知的興味を感じさせるような雰囲気ですね。

 そうだと思いますよ。高校生がデートの場に使うというのは、非常にありがたいことなんです。だから、最初の話に戻るんですけれど、やっぱり政策は商品だというのはそこなんですよ。商品って目に見えるじゃないですか。触れられるじゃないですか。それをいままであまりにも中央行政は軽視し過ぎたんですね。

 だからどんどん国民が行政から離れていっている。分からないから。それで市民共同会議を開くと言っても、こっちは20人来た、あっちはたったの1人だったということになるんです。でも、うちは図書館で何かやるって言った時には、ものすごい数の人来ますもんね。僕が集会すると言ったら、1000人くらいすぐ集まる、こんな田舎でも。だからそれは目に見える活動をやっているからなんですよ。