カメラ組み立て自動化を見据えた
ロボットの“眼”

 昨年11月、東京ビッグサイトで開催された国際ロボット展。キヤノンと安川電機が共同開発したロボットに業界の注目が集まった。

 積み上げられた金属製の部品に青色のしま模様の光が照射されると、約2秒後にロボットのアームが部品を一つつかんで持ち上げ、所定の位置にはめ込む。部品を運んでいる間に、部品の山に青色の光がまた照射され、戻ってきたアームが再び部品を一つ持ち上げる。

バラ積みされた部品に光を照射して位置を確認(1)し、ロボットアームがつかむ(2)。ロボットの“眼”(3)で、実現している
写真提供:安川電機  拡大画像表示

 注目すべきは、部品は無造作に山積みされているため、アームがつかむ部品の高さや向きが毎回バラバラな点だ。ロボットで部品を取り扱う場合、部品をきちんと整理して並べることは製造現場の“常識”だった。だが、このロボットはバラ積みされた部品でも取り扱いができることを示したのだ。

 可能にしたのは、ロボット上部に取り付けられた、キヤノンが開発した3Dマシンビジョン。これがロボットの“眼”の役割を果たしているのだ。装置にはプロジェクター技術を応用した光源と、部品の形状や向きを認識するためのカメラが収納されている。

 自動車の製造ラインに持ち込まれる部品はバラ積みが主流。3Dマシンビジョンを活用すれば、人力で部品を整頓する工程を省くことができ、生産性の向上が期待できるというのだ。

 キヤノンが4月に正式に参入を表明して商品を投入したマシンビジョンの世界市場規模は2900億円(13年)だが、3D用のものは年50%の伸びで市場が急拡大中。とりわけ自動車メーカーなどからの要望は強く、すでに国内外の約20社から引き合いがあるという。