「ワンタイムデビット」の利用イメージ。必要なときにユーザー自身でカード番号を発行できるようになる。 |
クレジットカード、銀行振り込み、コンビニ払い、代引き決済――ネットショップにおける決済方法は多々あるが、実際に使用してみると、「一長一短」といった感が否めない。
クレジットカードはセキュリティの不安が残るし、銀行振り込みは確認までに時間がかかる。はたまたコンビニまで出向くのは気が重いものだし、代引き決済は別途手数料を取られる場合が多い。なるべく安く、迅速に、しかも安全に取引が可能な決済手段というものは、案外と少ないものである。
そんななか登場した、ジャパンネット銀行の「ワンタイムデビット」は、ユーザーの“痒いところ”に手が届く新しい決済サービスだ。
一番の特徴は、その名のとおり、カード番号を「ワンタイム」――つまり必要なときだけ発行するという点である。いわば“使い捨て”のデビットカードというわけだ。
デビットカードとは、金融機関発行のキャッシュカードをそのまま決済用カードとして使用できるサービス。クレジットカードと異なり、利用額が即座に口座から引き落とされるが、預金残高を超えて利用することはできないので、使い過ぎの心配もない。
とはいえ「ワンタイムデビット」の場合、実際にプラスチック製のカードが存在するわけではない。ユーザーはまず、ジャパンネット銀行のサイトにログインして、カード番号を発行する。その番号は、「Visaマーク」のついたネットショップであれば利用できるので、あとはクレジットカード決済と同じ手順で買い物ができる。
発行された番号は、10日間過ぎると無効になる(ただし、公共料金などの月額利用料金の支払いは継続的に利用可能)。また、一度利用した店以外の店では使用できない。万一、第三者にカード番号を知られてしまっても、悪用されるリスクはずっと低くなるので、セキュリティへの不安も軽減できる。
加えて、使い易さの面においてもメリットは大きい。同行に普通預金口座を持っていれば、クレジットカードを所有しない学生や、Visa以外のカードしか所有していないユーザーでも、気軽に買い物が愉しめる。
支払い限度額はカード番号1つにつき10万円まで設定可能となっているが、預金残高を超える取引きは、もちろんできない。
筆者は夫婦でネットショップを運営しているが、クレジット決済に対するユーザーの不信感は意外に根強いことを実感している。
初めて利用する店などでは、特にカード決済を避ける傾向があるだけに、利用者(顧客)だけではなく、ネットショップ運営者にとっても「朗報」と言えるサービスではないだろうか。
(中島 駆)