「脚力」のある子どもほど、
あと伸びする

 身体の働きと脳の働きは、密接な関わりがあります。「手先きが器用な人は、発想力がある」「ピアノが得意な人は、算数も得意」といわれることがあるように、私は、
「脚力のある子ほど、あと伸びする」
と考えています。

 子どもたちを見ていると、走り込んだ子、遊び込んだ子ほど、「やり抜く力」を持っています。
 実際に子どもたちを調べてみると、「1500m走のタイムが『5分』を切る生徒は、学力が高い」ことがわかりました。これは、とてもおもしろい結果です。

 東大を卒業した「花まる学習会」の指導員Kさんも、高校時代は、1500m走のベストタイムが、「4分20秒」だったそうです。

 また、8月に出版した『本当に頭がいい子の育て方』の編集を担当していただいている、ダイヤモンド社の飯沼一洋さんも、小学校時代のマラソン大会は、常に、学年でほぼ1ケタの順位。1500m走のベストタイムは、4分50秒とのことです。
 ちなみに私自身も4分50秒だったと記憶しています。

 飯沼さんは、高3年生になるまで、一度も「塾」に行ったこともなく、勉強もほとんどしていなかったため、現役の大学受験では、すべての大学に落ちて「全滅」してしまいます。しかし、翌年、そこから一念発起して、1日10時間勉強×350日と、とことんやり抜いて、大学に合格しています。

 たとえ、それまで勉強をしていなかったとしても、脚力に比例する心の強さがある人は、とことんやり抜いて目標を達成する粘り強さがあるという証明でしょう。

 また、長年指導をしていて思うのは、トップ校に入れる子どもと、入れない子どもの決定的な差は、「粘り強さ」にあります。
「スクールFC(小学生~中学生対象の花まるグループの進学塾部門)」の「スーパー講座(スーパー算数/スーパー国語)」では、最難関校の入試問題など、ハイレベルな思考力問題を出題します。

 難しくて、そうかんたんには解けない問題を前にしたとき、「わからない。もう、ヤダ!」とあきらめるのか、それとも、逃げ出さないで向き合うのか。

「脚力(とくに、持久力)」のある子は、難しい問題を前にしたときでも、「あきらめないで、最後までやり遂げたい!」という粘り強さを発揮しています。
 思考力問題も長距離走も、「粘り強さ」が求められるという点で、とても似ているのです。