インターナショナルスクールの教育から、ビジネスパーソンの成長につながるヒントを紹介してきた本連載。最終回となる今回は、現代のビジネスパーソンが目指すべき「グローバル・スタンダードな人材」とイコールともいえる「インターナショナルスクールが育てる人物」について明らかにする。

インターナショナルスクール教育が目指す人材

 本連載の初回で、アベノミクスの重要戦略の1つに位置付けられた「国が成長するためには個人の成長が必要だ」という人材戦略のメッセージに触れた。インターナショナルスクールが育成する「グローバルスタンダードな人材」とは、まさに「成長し続ける個人」のことだといえる。

 では、「成長し続ける個人」に必要なものとは何なのか。連載中、生まれ育ってきた環境や考え方が異なる相手に自分のことを正しく伝える「プレゼン力」、多様な人々を活かし自らも活かされることができる「マネジメント力」、目的意識をもつことでただのツール以上に自分を高めてくれる「英語習得力」と、ビジネスパーソンに必須のスキルが身につく場という視点からインターナショナルスクールを紹介してきた。

 だが、インターナショナルスクール教育、特に国際バカロレアの理念に基づいた教育の本質は、そこで身につく個々のスキルにあるのではない。もっとも重要なのは「受け身ではない探究型の人材」(キャリアリンク若江氏)を育てることにある。お仕着せの仕事を“こなす”のではなく、自ら課題を発見し周囲と協調しながら解決していくことがインターナショナルスクールで育つ人物の特徴だ。

 この国際バカロレアの理念に基づいた人物を育成する機関として今注目されているのが、この夏開校した「インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢」(ISAK)だ。

ISAK開校式で語られた
「チェンジ・メーカー」への大きな期待

インターナショナルスクールが教えてくれる<br />「個の時代」を生き残る人物像ISAK開校を祝った記念撮影。真ん中に座るのが、小林りん代表理事、その隣が下村博文文部科学大臣

 2014年8月24日、長野県北佐久郡軽井沢町にある静かなキャンパスで、ISAKの開校式が行われた。この開校式には下村博文文部科学大臣や阿部守一長野県知事をはじめ、教育から政治、経済まで各分野から多くのゲストが開校を祝いに訪れた。

 ISAKは小林りん代表理事を中心に、コンセプトづくりや資金集め、入学生の募集までゼロから立ち上げられた、成り立ちからしてまったく新しい教育機関だ。掲げられている「アジア太平洋地域そしてグローバル社会のために、新たなフロンティアを創り出し変革を起こせるリーダーを育てます。」というミッションの通り、49名の第一期生の出身国は15ヵ国にもおよぶ(※ISAKの詳細についてはこちらの記事をご参照いただきたい)。