鮪の赤身と脂身の価値が逆転するきっかけとなったのは昭和の半ば、築地でバイトをしていた苦学生たちが、まぐろの脂身をもらって食べたところ、美味いと評判になったことが始まりだと言われています。

 鮪のトロと長葱を煮汁で炊いていただく「ねぎま鍋」も、今では高級鍋料理とされていますが、これも江戸時代、臭み消しの葱と、濃い出汁を使い、臭いトロを少しでも美味しく食べるために発明された料理だったのです。

江戸時代は猫またぎの一種だった鮪《まぐろ》 <br />価値が認められたのはヅケが発明されてからねぎま鍋
【材料】鮪の脂身…100g/長葱…1本/だし…1カップ(200ml)/酒…大さじ2/みりん…大さじ2/醤油…大さじ2/粗挽き黒胡椒…少々
【作り方】①鮪は一口大に切り、長ねぎは長さ3cmに切る。②土鍋にだし、酒、みりん、醤油、長ねぎを入れて煮立たせ、葱にとろみが出たら、鮪を好みの堅さまで火を通す。器に取り、粗挽き黒胡椒をかけていただく。

 現在ではトロを煮るなんてもったいないことはなかなかできるものではありませんが、剥き身や中落ちとして売られている中で、サシやスジの多いものを選べば、経済的に美味しく「ねぎま鍋」を楽しむことができます。

 逆に鮪の赤身は、火を入れると硬くなりすぎるので、煮炊き物にはお勧めできません。