「日本の森を守る地方銀行の有志の会」の参加行の中でも、「地域の森林を地域ぐるみで守り育てる活動」(*1)に参加している京都銀行や、「森林を守ろう!山陰ネットワーク会議」(*2)を立ち上げた山陰合同銀行(島根県)など、NPOやボランティアの方々と一緒になって地元の森を守ろうとする活動に参加している銀行もあります。

 そういった活動は社会の公器たる企業の活動としてはとても大事なことですが、いわゆる社会貢献活動に終わってしまい、営利企業としての銀行が永続的に取り組む必然性としては薄いものとなります。

保全活動だけでは、
森林は守れない!

 私がこの取り組みに期待するのは、「森林資源を活用した資金循環の仕組みをつくること」です。

 森林の保全活動は、すごく重要な活動です。でも、森林を守る為には、それだけでなく、「森林資源を使って行く」ということも大切なのです。

 本来的には、森林を“資源”として捉えると、森林から伐り出された木の太いところは建築材、細いところはパルプ材として使われ、それ以外の使えない間伐材や枝は、エネルギーとして使うなど、全てを無駄にすることなく(カスケード利用と言うそうです)収益を上げる構造をつくることが可能となります。そして、そこで生まれた収益は森林に還元され、森林を管理運営していく資金となり森林の荒廃を防ぐことが出来るのです。

 でも、実際に日本で使われている木材は、建築材の部分だけで、他は山に放置されるなど、ほとんど利用が進まない状態です。また、その建築材ですら、コストの安い外国産の木材に押されており、十分な利用が進んでいません。

 この資源の循環に、お金の流れを上手く組み合わせることができれば、地方銀行の事業として大きな可能性が見出せる、と私は考えています。

環境は手段や目的でなく「結果」
(C)2009 Kenichiro Miyama
「森」は、確実にビジネスへ繋がる
(C)2009 Kenichiro Miyama

 また、森林の資源利用が進まない、物理的な理由のひとつに、日本の森林は山が多いため、(地形的に)伐採に際し北欧諸国などで使われている機械が使えず、効率的な伐採が出来ないためコストが余計にかかる、という話があります。逆に言うと、それがあったからこそ、日本には森林が手つかずのまま残されているのですが・・・。

 この件について、ある製紙会社の役員の方から伺った、大変興味深いお話があります。「日本には、すぐれた工作機械メーカーが数多くあるから、本気になれば日本の地形にあった伐採用の機械も作れるのではないか・・・」という訳です。しかも、「日本には若者を中心としたゲームの文化もあって、ガンダムのような機械(ロボット)を開発すれば、それを操縦したい若者もたくさんやって来て、それで林業も活性化する」というシナリオです。