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失速するiTunesミュージック
焦るアップルの過剰マーケティングに
U2のボノもあきれる

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第318回】 2014年10月29日
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 いずれにしても、最近のユーザーはもっと軽快な方法で音楽を楽しみたいと思っている。

 スポティファイによると、同サービスのマルチデバイスのユーザーは毎日146分をいろいろなデバイスで音楽を楽しむために費やしているという。

 よくスタートアップのオフィスに行くと、プログラマーらがヘッドフォンをしてコンピュータに向かっているが、彼らはほぼ1日中こうして音楽を聴いているのだろう。そうした時、ランダムに楽曲が流れてくるよう設定できたり、次々と新鮮な楽曲が選べたりするストリーミングサービスはより好まれるだろうと想像できる。サービスによっては、オフラインでもある程度の楽曲を聴くことが可能だ。

ストリーミングへの
アップルの反抗策は?

 しかし、アップルもこのままではない。

 同社は今年5月、ミュージシャンのドクター・ドレらが経営するヘッドフォンとストリーミングサービスの会社、ビーツを30億ドルで買収することを発表した。

 今までは別立てで運営されてきたビーツを、来年iTunesに統合する予定であるという。また、その際、現在月額10ドルの利用料を5ドルにまで値下げすることも検討されているようだ。こうなると、既存のストリーミングサービスとも真正面から競合する。

 スポティファイでは、すでに家族サービス料金を発表し、有料ユーザーの家族は毎月5ドルで加入を可能にしている。家族は5人まで追加できる。かなりお得なプランだ。

 インターネットの音楽サービスは、iTunes musicがバージョン1、ストリーミングサービスがバージョン2とすれば、現在バージョン2.5ほどの地点まで進化を遂げている。バージョン3で何が起こるのか。それを目にするのは、さほど先のことではないだろう。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

ビジネスモデルの破壊者たち

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