週明けからマスコミ各社の内閣支持率調査の発表が相次いでいる。
それによると、多くの調査でかなりの落ち込みとなった。
日経新聞では、支持率48%で前月比5ポイントの下落、不支持率は36%と5ポイント上昇だ。どちらかと言えば、この数字が皮膚感覚に合っているような気がする。読売新聞の調査では、支持率が何と前回調査から9ポイントも下がっている。
ただ、朝日新聞の調査では支持率が49%だが、前月比3ポイントの上昇。ん?なぜか違和感を覚える。
今回の主たる下落要因の1つは、2人の女性閣僚の辞任と言ってもよいが、朝日新聞は調査結果から「今回のダブル辞任劇が、安倍内閣の支持率に影響を与えなかったことが読み取れる」とコメントした。不適格な人を辞めさせてよかったということだろうか。とにかく朝日新聞の調査だけが、他とは違う傾向となった。
「早期解散で正面突破」は楽観論
増税、ガイドライン先送りでブレーキを
さて、このところ安倍晋三政権をめぐる潮目は明らかに変わりつつある。頂きを過ぎて下り坂を進み始めたように見える。そのせいかマスコミも、野党勢力もかなり厳しい批判をぶつけるようになった。消費税再増税については、自民党内からも公然と先送り論が出てきている。さらに、TPP交渉で無理な合意でもすれば、党内の混乱は避けがたくなる。
安倍政権の強気の政権運営を可能にするためには、いくつかの不可欠な前提条件があった。それらについての誤算が今後の展望を暗くしてしまっている。