インターネット上で、おカネを借りたい人と貸したい人を結び付けるオークションサイト「maneo(マネオ)」が今秋にも登場する。ソーシャルレンディングと呼ばれるサービスで、世界中に同様のサイトが30以上も存在する。

 貸し借りの方法は、まず借り手がサイトに借りたい金額(上限は200万円)や希望の金利、期間、利用目的などを申告する。それを見た貸し手は、借り手の信用情報(月ごとの収入や支出などの経済情報に、年齢や性別、勤め先の職種などの属性情報)と合わせて判断し、オークションに入札する。

 加えて、借り手は併設のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で、さらに細かな借り入れ目的や経済状況などを書き込んで、PRすることもできる。

 本来、複数の人におカネを貸し出すことは貸金業法や出資法などの法律に抵触する。だが、マネオのスキームは簡単にいうと、マネオが借り手におカネを貸し付け、その金銭債権に対して貸し手が出資するかたちを採ることで、法律上の問題をクリアした。

 さらに、借り手と貸し手は会員登録を行ない、年収証明や銀行口座などで身元確認を徹底し、なりすましなどの犯罪を防止する。特に借り手は、年収300万円以上の制限に加え、全国信用情報センター連合会でほかからの借り入れ状況ももちろん調べる。

 では、このスキームに問題はないのか。業界関係者は指摘する。

 「回収不能のリスクを貸し手が負う点と、どれだけ良質の借り手を集めることができるのか」

 借り手1人につき20万円までの少額投資のため、確かにリスクは低い。だが、借り手の質によっては回収不能が増え、貸し手が集まらない。となれば、薄利多売(80万円を約3年間貸し出した際の手数料収入は約3万円)のビジネスモデルも成り立たない。いかに良質の借り手を集められるかが課題である。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 藤田章夫)