――自覚症状はどのようなものがありますか?

 自覚症状として一番典型的なのは、トイレで用を足すのに時間がかかるということでしょう。しかし、前立腺肥大症は、何十年もかけて症状がでてくるものなので、「昔はこんなんじゃなかったな」「尿の出が悪いな」と気づくまでにはすでに病状が進行しています。1日、2日で起こるような症状は、自分で気づきやすいのですが、前立腺肥大症は、何十年もかけて加齢とともに進行していきますから、いつの時点で自覚できるかというのは個人差があるといえるでしょう。

 尿が出にくい、出ないという排尿障害のほかに、急に我慢をすることができなくなるほどの強い尿意がおこる場合や、実際に尿が漏れるということもあります。心当たりはありませんか?

 急に我慢をすることができなくなるような強い尿意がおこることを尿意切迫感と呼んでいますが、尿意切迫感があり、頻尿を伴うものを過活動膀胱といいます。膀胱の出口が塞がって血流が悪くなり、膀胱が過敏になることで過活動膀胱を引き起こすと考えられています。最近トイレの回数が多い、夜中に何度もトイレに行きたくなり起きてしまうなどの症状があれば要注意です。

 このように前立腺肥大症は単に前立腺が大きくなるだけでなく、それに伴って膀胱などの機能も変化するのです。また、前立腺肥大は、肥大と名称がついていますが、前立腺が大きくなっても症状がない方もいます。一方、前立腺が小さくても症状が強い方もいます。

実は「前立腺がん」の可能性も
「おかしいな」と思ったら専門医に早期相談を

――どうような診断をするのですか?

 前立腺肥大症が疑われる患者さんには、まず、国際前立腺症状スコア(I-PSS)と呼ばれるアンケート形式の問診票を使って検査をします。残尿感、頻尿、排尿の勢いなどの症状やその程度を点数化することで、自覚症状を把握します。この点数だけで完全な判定はできませんが、一般的には0~8が軽症、9~20が中等症、20以上を重症の前立腺肥大症と分類します。IPSSと合わせて困窮度(QOL)スコアで前立腺肥大症の症状がどのくらい生活に支障を来しているかを把握します。