貧困層に広がる流通ネットワークが
現地の真のニーズをとらえている

――なるほど。では今、有名なグローバル企業がその活動を注目していると伺いますが、それはなぜでしょうか。

 そうですね、貧困層の「本当のニーズ」をわれわれが知っていることにあると思います。

 例えば、インドネシアの農村部には、石鹸やシャンプーなど日常に必要なものを買える売店があります。この流通ネットワークを使おうと考え、われわれの製品を置いてもらうようにしたのです。これを「テック・キオスク」として呼んでいますが、これが驚くほど地元の関心を引いたのです。実際、テック・キオスクのオーナーも利益を得ることが出来るようになり、子どもたちの教育資金にも回るようになりました。今では60ぐらいの地域にまで広がっています。

 実は、グローバル企業といわれるところでも、ここまで貧困層に踏み込めているところはほとんどありません。都市部にオフィスを構えて現地社員を雇うところもありますが、彼らが農村部のニーズを把握しているわけではありません。現地社員も都市部のエリート層ですから、電気や水の通らない地域までは知らないのです。

 とはいえ、インドネシアの市場、そしてその存在感はどんどん増している。そこで、われわれの持つ「現地に根ざしたネットワーク」を通じて、新製品の市場調査のお手伝いをすることが増えてきたというわけです。