原油価格が反落を始めている。WTIは1バレル150ドルを手前にピークアウトの様相だ。その背景として、空売り規制説、批判回避説、選挙対策説などが挙げられている。原油価格の反落とともに株式市場のほうは回復基調を示してきた。このまま2006年後半のような原油価格の下落につながれば、東京株式市場もリバウンドが期待できる状況にある。

WTI先物価格の値動き 原油価格はピークアウトか

 空売り規制説は、SECが発動した株の空売り規制が効いて、原油売りにつながったと見る。この規制は、信用不安が取り沙汰されたフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)とファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)を含む世界の金融株(みずほフィナンシャルグループと大和証券グループ本社も含む)のネイキッドショート、現物株を手当てしない空売りを期間限定で禁止したものだ。

 一見、関連性が薄いようにも見えるが、関係者は次のように説明する。最近の金融マーケットで大きな懸念材料となっているのはインフレと信用不安。これに対してポジションを持つなら原油買い・金融株売りという組み合わせになる。しかし、今回の規制でネイキッドショートを利用した金融株売りを手仕舞わねばならなくなった。そうすると、もう一つのポジションである原油買いも手仕舞いに至った、というのである。