「検証委についても取り上げてもらえると思い、この1年間有識者会議の議論を見守ってきた」と話した紫桃隆洋さん(中)
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 文科省側との会談で、当時小学5年の千聖ちゃんを亡くした紫桃隆洋さんは「事後対応については、検証委員会のあり方も含めて取り上げてくれるものと思い、この1年、有識者会議を見守ってきたが、大川小学校のことについて話し合っているようにはなかなか見えてこない。これまでどのように対応してきたのか?」と疑問を投げかけた。

 これに対し、文科省の大路課長は、

「検証委員会そのものについて、ご遺族が思われている受け止め方についても、私なりに理解している。この(有識者会議の)調査研究を立ち上げる直接的な契機となったのは、大川小の事故であり、その後の学校や教育委員会の対応を踏まえ、ご遺族との関係が上手くいかなかった反省を踏まえて、同じような事故が起きたときに、どう学校や教育委員会が対処すべきなのか、指針として取りまとめて全国に発信できる取り組みをしたいと思っている」

 と答えた。

 そして、初年度は、同じような学校事故の全国的な状況を調べ、どういう問題があったのか、共通的な問題を抽出。来年度、本格的な検討に入りたいと説明する。

 そのうえで、

「当然のことながら、大川小学校の事故で得られた様々な教訓は決して忘れ去られてはならないし、ご遺族の方々がこのように出て来られた思いをしっかり聞かせていただいて、今後の検討の中に反映させていくことだけは、この場ではっきりと申し上げたい。ヒヤリング等の対応もこれから考えていきます」

 大路課長は、そう約束した。

 また、重大な事故が起きたとき、遺族への対応だけでなく、検証のあり方についても、1つの重要なテーマだという。

「大川小学校の検証委員会における問題点があるとすれば、そこを聞かせていただいて、今後のより良い検証のあり方に生かして行けるよう進めてまいりたい。忌憚なくお感じになったことを聞かせていただければ、調査研究の会議でもヒヤリングさせていただいて、検討に反映させていくことは重要。あのやり方がベストだったかどうか、我々は謙虚に振り返って、検証委員会そのもののあり方についての検証は行っていく部分はあるのではないか」

 と述べ、検証委員会のあり方についても、検証対象になり得るという認識を文科省として初めて示した。