3つのステップで話を展開する

 相手と良好なコミュニケーションをとるには、話す「内容」とともに、話す「順序」にも気をつけなければいけません。

 前ページの例でもわかるように、思いつきで話していると、聞き手ははじめのうちこそ「なんの話だろう?」と興味をもちますが、しばらくすると「だから?」「それで?」「つまり?」などと、頭の上に疑問符をいっぱい点灯させることになります。そして、ついには我慢の限界を超えて「結局、なにが言いたいの?」と、なるわけです。

 また、ダラダラと時系列で話したり、長々と前置きを述べたりしていると、「結論はなんだっ!」と大目玉を食らうことになりかねません。

 そこで、ビジネストークでは「結論」→「理由」→「結論」の3ステップで話を展開します。

 たとえば、「今後の見通しとしては、来月いっぱいで見込み客のリストが揃うはずです」と、最初に結論を述べます。

 結論を言うと、それだけで「ああ、そうか」と納得する人がいるかもしれませんが、たいていは理由を知りたがるものです。そこで、こう続けます。

「というのは、A社をはじめとする流通関連企業から、いい感触を得ているからです」

 聞き手は〈なるほど〉と心の中でうなずくでしょう。

 しかし、ここで言い放しにならないように、再度、結論を述べて締めくくります。

「ですから、来月までには、見込み客リストが揃うはずです」

 最後に念を押すのは、結論―理由―結論というサンドイッチ状にすることで話全体が引き締まり、聞き手に結論を強く印象づけることができるからです。