別のブログで、「公的年金は破綻しない」と書いた。そのロジックは以下の通りである。

1.国債が発行できる限り、年金の支給を含めて予算を組むことができる(≒政府は破綻しない)。

2.公的年金がもらえない時は、国債が発行できない時、即ち国債が紙くずになっている時である。

3.国債をたくさん保有しているのは政府の一部門である日銀を除けば、わが国の金融機関(銀行、保険、証券など)である。

4.国債が紙くずになれば、金融機関は破綻する。従って市民の預けたお金は返ってこない。

5.即ち、国債を発行している近代国家においては、政府より安全な金融機関は存在し得ない(政府の格付けが下がれば、その国の金融機関の格付けも自動的にスライドする)。

 これに対して、さまざまなコメントが寄せられた。そこで、もう1度、この問題を原点に立ち戻って考察してみたい。

キャピタルフライトをどう考えるか

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 最初に寄せられたコメントは、「外国の金融機関にお金を預けるべきだということですか?」というものだった。僕は読書と旅しか趣味がない。これまで70余ヵ国、1200都市以上を旅してきた。そして得た結論は「日本ほどすばらしい国はない」という確信である。

 まず、何よりもご飯がおいしい。加えて、四季が本当に細やかである。そして、安全でとても便利だ。そう思えばこそ、キャピタルフライト(※)は良くないと考えている。過去の歴史を見れば、キャピタルフライトが起こって上手く行った国は1つもない。あらぬ誤解や心配を煽って、市民にキャピタルフライトを考えさせるような愚は、断固として避けるべきだ。

※資本逃避。資本や資産が一斉に海外へ流出すること。