“プロ化”したNPOの登場
“補助金狙い”も横行

 NPOやボランティアが抱えている問題は、高齢化だけではない。もう一つ、あらわになってきたのが、補助金目的のNPOの横行だ。

 最近、神戸市内のあるNPOの活動から身を引いたという30代の元メンバーは、「活動当初こそ一日も早い復旧という崇高な志に燃えていたが、行政からの補助金を得るようになってからは補助金受給のみが活動の主たる目的のようになり嫌気が差した」とその実情を語る。

 阪神・淡路から3年後の1998年、NPO法が施行されて以降、こうした補助金取得を目的とする“プロ化”したNPOの問題が表面化するようになった。

 神戸市関係者によると、震災関連の慰霊祭など永続的な運営が期待される活動を行っているNPOほど補助金の類は受け取らず、寄付金だけでその活動を賄っている実態がある。むしろ補助金を受け取っているNPOよりも行政との関わりが密で、「復旧、復興という町づくりにおけるよきカウンターパートとして活動している」という。

 前出のHANDS理事長・藤本真一さんは、「財政的には厳しいが、補助金を受け取ることでその活動に制限が設けられたり縛りが出たりしてくる」とし、今後も行政に向けて補助金の申請を行うことはせず寄付金だけでその活動を賄っていくと話す。

 代替わりがスムーズに行なわれ、若い世代が集まっているNPOのなかにも、その活動目的がよくわかっていない人の溜り場となり、「ただ楽しく騒いでいるだけ」というところもある。そうしたNPOでは、「仲間といるのが楽しい」(NPOメンバー)という声が圧倒的多数を占める。活動当初こそ、その目的は“阪神・淡路”だったが、震災後20年という月日の流れによる活動の拡大化で、いつしか“集うこと”そのものが目的と化してしまったNPOも少なくない。

 補助金受給を目的とする、もしくは活動目的が不明確なNPOも、2011年の3・11では、その活動に息を吹き返したという声もある。しかし実情は、「3・11の震災当初こそ数百人の申し込みがあり、ボランティア活動を行っていたが、1ヵ月後には数人にまで減り、2ヵ月後には1人、せいぜい2人となった」(神戸市内のNPO法人代表)という。

 NPO法の施行以降、こうした“一時の善意”でボランティアに参画した人をもその数に入れ、活動実態のないNPOを設立、「収益の源とみなす輩」(元神戸市職員)が増えてきたのもまた事実だ。そうした手合いにとって、今、東日本がもっとも狙い目だという。