国政選挙を対象として始まった選挙公営制度は、1992年の法改正により地方選挙でも条例を定めれば、適用できるようになった(町村は対象外)。このため、全ての都道府県とほとんどの市区が選挙公営制度を導入し、ポスター代などへの公費負担を実施している。

 この公費による選挙費用の負担にはそれぞれ上限額が設けられており、限度額を超えた分については候補者自らが負担することになっている。また、候補者の得票数が一定の数に達しなかった場合、公費負担の対象外となり、供託金も没収される。つまり、落選者の自腹での負担となる。ちなみに、一定の数というのは有効投票総数を定数で割った数の1割である。

 統一地方選が本番になれば、街中は愛想笑いのポスターとお願い連呼に包まれることになる。実は、そのポスターや選挙カーにも税金が投じられている。いわゆる「民主主義のコスト」の一部である。

 だが、選挙公営の運用実態を取材していて、どうにも腑に落ちないことがある。たとえば、選挙ポスター代についてだ。

なぜ都道府県と市区で2倍の差が?
ポスター公費負担限度額への疑問

 選挙ポスター代の公費負担限度額についていずれの自治体も条例で定めている。それは、1枚当たりの作成単価限度額を作成限度枚数で掛けた数値となる。

 このうち作成単価限度額については、どの自治体も国政選挙での基準(公職選挙法施行令110条の4)により算出している。都道府県も市区もいずこも国と同じ算式で弾き出しているのである。ところが、作成限度枚数になると、なぜか、都道府県と市区で大きな違いが生じている。都道府県の選挙では国政選挙での基準(選挙ポスター掲示板数の2倍)と同じなのに対し、市区の選挙はその半分になっているところが多い。つまり、ポスター掲示板数を上限にしているのである。この違いは一体、なんなのか。