いよいよ、公務員試験の勉強のしかたに話がうつります。公務員講座など資格試験の専門家にして弁護士の豊泉裕隆が、公務員への就職・転職を目指す人のために、役立つ情報を提供する連載の第9回。今回は勉強する科目の選択の話。

 みなさんこんにちは、弁護士の豊泉裕隆です。前回は、公務員試験っていつやるの?というテーマでお話しました。そして、学習スケジュールの立て方に入ろうかというところで、引っ張ってしまいました。

 今回からは、いよいよ公務員試験必勝学習法と題して、公務員試験の合格可能性を極限まで高める学習法をご紹介していきます!

 まずは、学習スケジュールの立て方について、お話させていただきます。学習スケジュールを立てる際に注意すべき点は、何をどういう順番で勉強するかです。

 そんなの当り前じゃないか!と思った人も多いかもしれません。しかし、その当たり前ができていない人が驚くほど多いのが、この公務員試験です。逆に言えば、この当たり前のことをキッチリ押さえて学習をスタートすれば、あっという間に逆転が可能なのです!

 それでは、まず何を勉強するかというテーマでお話します。くり返し言っていますが、公務員試験の科目数は膨大です。全部を勉強しようとすると、間違いなく時間が足りません。そこで、勉強する科目の選択が重要となります。

 科目を選択する上でのポイントは、出題数が多くて職種間の重複が多いものを選ぶことです。そうすれば、併願受験者も効率的に勉強することができます。では、出題数が多くて職種間の重複が多い科目って何でしょうか?

 それは、次のとおりです。みなさん、メモのご準備はよろしいでしょうか?

 まず教養試験では、文章理解(現代文・英文)、数的処理(数的推理・判断推理・資料解釈)、社会科学(社会・時事)です! 最近の教養試験では、いわゆる暗記モノよりも、文章理解や数的処理といった自分の頭で考えさせる問題を多く出題する傾向にあります。これは、自分の頭で考えられる人を採用したい、という採用側の意図が透けて見える感じがしますね。

 それから、時事については、正面から「時事」という科目で出題されることもありますが、他の科目の問題として時事的なテーマが出題されることもありますので、勉強しておくとおいしいといえます。

 なお、教養試験のその他の科目については、ほとんどの受験生が大学受験をしてきたと思いますので、その知識を生かして勉強すると効率的です。例えば、文系の受験生は、人文科学(日本史・世界史・地理・思想)、理系の受験生は、自然科学(物理・化学・生物・地学・数学)を勉強すると良いでしょう。

 さらに余裕がある人は、文系の受験生であれば生物・地学、理系の受験生であれば世界史・地理が勉強しやすいので、これらも勉強しておくと、他の受験生と差を付けることができるかもしれません。

 次に専門試験では、法律系の憲法・行政法・民法、行政系の政治学・行政学、経済系の経済原論(ミクロ経済学・マクロ経済学)・財政学です!よく法律や経済が苦手だからといってすべて捨ててしまう人がいるのですが、これは非常にマズイです。これだけ出題数が多いものをすべて捨ててしまうと、挽回はほぼ不可能です。

 また、法律や経済ができないまま公務員になってしまうと、仕事に就いてから苦労すると思います。後々そんな苦労をしないためにも、是非ここでひと踏ん張りしていただきたいと思います!

 さて、ここまで勉強する科目の選択のコツをお伝えしてきました。次回は、この選択した科目をどの順番で勉強するかについてお話します。それではみなさん、次回も是非ご覧ください!