【財務マネジメント・サーベイ】
中国・アジア拠点への本社統治力と財務マネジメント(中)

  一方、キャッシュフローマージンとの相関は0.43で、さまざまな業種であっても中間の相関を示している。ROEとの相関に戻ると、本来は キャッシュフローマージンと同様に相関を示すはずだが、これほどまでに相関を示さないのは、分母の自己資本の意図的な変更による影響が大きいと考えるべき である。具体的に、海外拠点コントロール評価点が高い企業を抽出すると以下の通りである(表3)。

  

 

 



 A社は運転資本などに関わる情報を一元的に管理できる仕組みを構築し、本社財務部門でモニタリングできる環境を作り上げ、ここから海外拠点をコントロー ルしているが、欧米流の中央集権的なコントロールとは異なり、本社財務は現場の具体的な管理は直接には行わずに事業部門と協力しながら推し進めている。

 B社はA社と異なりシステム化により欧米流の中央集権的なコントロール力を強化しようとしているが、コントロール強化に向けた施策の大半が検討中のため、まだ具体的な果実に結びついていないようだ。

 C社はB社と異なり情報を共有化しやすいように規定、ルールなどを統一し、コントロール強化策を着実に行うことで成果を得ている。

 各社のデータを俯瞰すると、システム的に情報の精度を高めるより先に、規定、ルールなどを統一し、具体的な施策を確実に行っている企業の方が「キャッシュフローマージン」は高くなっていることがわかった。以下、それぞれの評価対象項目について詳しくご紹介する。