その際、そのアルバイトの人間が番号の重要性を認識せず、うっかり用紙をどこかに忘れてこようものなら一大事だ。「ここの管理がすごく煩雑でプロセス設計できない」(前出の専門家)。

 つまり、セキュリティ面ではリスクが高いことになる。マイナンバーに詳しい関係者たちは、「絶対に何らかのかたちで番号は漏れる。むしろ漏れたときに悪用されないようなシステムを考える方が大事」と口をそろえる。

数千億円もの
税金をかけても
効果に疑問の声

 マイナンバーには、当初の見積もりで、3000億~5000億円の予算が必要といわれていた。それが、現時点ですでに2014年度当初予算で約1000億円、15年度予算は約1180億円も掛かっている。

「最初の見積もりがずさんだった。また、各自治体がどれくらいの予算を要するのか内訳が不明瞭だ」(政府関係者)という状況。年間数百億円とされる維持費も含めれば、システム完成から運用まで全体で幾ら掛かるのか、全体像さえつかめていない。

 さらに問題なのは、「予算に見合った効果が得られるのか分からないまま議論が進んでいた」(同)ことだ。

 端的にいえば、前述したようにマイナンバーの主眼は「税の捕捉」にある。特に個人事業主やアルバイトなどは、複数社からの給与があり捕捉しにくい。彼らのような会社員でない人たちからも徹底的に税を徴収することで、負担の不公平感をなくす。また、年金未納問題も何とか解消したいというのが本音だろう。

 しかし、マイナンバー導入前から、「数千億円かけて制度を導入しても、新たに捕捉する対象から得られる税収とはどれほどのものなのか。余計な金を使うより、その分を年金の補填に回した方がいいのでは」といった議論まで出ていたというほどだ。