忙しさにかまけて
人事評価制度もなかった

 そこで、私と取締役の日高はこのままではいけない!と深く反省し、社員がイキイキと働く会社にするために、まずは、人事コンサルティング会社にかたっぱしから電話で問い合わせをしました。

 すると、多くの会社がまずは、人事評価制度を導入することをすすめてきました。実は、当時の私たちの会社には、人事評価制度がなかったのです。私も日高もこの問題にはずっと前から気がついていたものの、日々の業務に追われ、制度作りを先送りにしていたのでした。

 でも、いざ人事評価制度を作ろうと思うと非常に難しいものでした。最初はパッケージのような制度をそのまま当てはめようとしましたが、実際に評価をしてみると、自分たちの会社が大切にしている評価項目をちゃんと作らなければ、会社の目指す姿と評価制度が紐付かないのです。

 それでは意味がないので、今度は自社のオリジナルで評価制度を作成することにしました。しかし、今度は会社の大切にしている評価項目は入れることができましたが、等級ごとの評価項目の内容があいまいすぎて評価される側の納得度が低いものになってしまい、私たちは結局、人事コンサルティング会社を3社ほど渡り歩き、もう途方に暮れていました。

 そんなとき、ある会社からこんな提案を受けました。

「あなたたちは、人事評価制度を作ることよりも、まずは自分たちの考え方を社員に伝えるべきだ!」

 その方は、私と日高の考え方をすり合わせ、会社の価値観として社員に伝えることが、今の私たちの会社に1番必要だと、価値観の大切さを説明してくれました。

 人の価値観はその人の人生経験によって作られるので、人それぞれです。ですから、一人ひとりの価値観を無理に合わせることはできません。でも、会社としての価値観を決めれば、社員はそれが自分の価値観と違っていたとしても、会社が求める価値観を理解し行動しようとします。そして、社員に判断基準が生まれるのです。その結果、社員の誰でも同じ方向に向かって判断ができるようになるとおっしゃいました。

 当時のうちの会社は、なんでも社長の私に聞かないと判断できない会社でした。社内に判断基準がなかったのです。