欧米各地で人気の「CAR2GO」は
路上で乗り捨て可能な「ワンウェイ」式
16世紀以降、商業港として栄えた運河の街、オランダ・アムステルダム。
「ゴッホ美術館」や「アンネ・フランクの家」等、観光スポットが市街中心部に点在する。運河沿いの道は狭く、自家用車は路上駐車が常識だ。自転車が多い街としても知られるこの地だが、最近はカーシェアリング「CAR2GO」が人気。同サービス対応の電気自動車「スマートEV」の姿が目立つ。
筆者は定常的に世界各国を取材しているが、この1~2年、欧米各地で「CAR2GO」の存在感が急激に増している印象がある。ダイムラー社は2008年10月、ドイツのウルムで「CAR2GO」の実証試験を開始した。その後、ベルリン、ミラノ、ウィーン、バンクーバー、ワシントンDC等、現在は北米と欧州の29都市で事業を展開している。利用する車両は「スマート」で、アムステルダム、シュトゥットガルト、そしてサンディエゴは全車がEVになっている。
ちなみに同社は事業の成長戦略として4つの柱を立てている。具体的には、「従来型のコアビジネス」、「環境テクノロジーと安全性能」、「新しいマーケット(販売する市場)」、そして「新しいモビリティサービス」で、「CAR2GO」はここに含まれる。
「CAR2GO」が成功している最大の理由は、どこでも乗り捨てられることだ。利用区域内であれば、自分の現在位置、または借りたい地点周辺で利用可能な車両に乗った後、路上駐車したままサービスを完了できるのだ。予約はスマホやPCで行ない、利用時は専用カードを車両にかざして施錠・解錠する。決済はクレジットカードで行う。
日本でも「ワンウェイ」型の実証が本格化
横浜で「チョイモビ」と「SMACO」を実施中
カーシェアリングには、大きく2種類ある。借りたところで返す=「ラウンドトリップ」型と、借りたところと返すところが違う=「ワンウェイ」型だ。
さらに、「ワンウェイ」型には、“指定された場所に返す”方式と“路上のどこでも返すことができる”方式がある。