成功を収めた安倍首相の米議会演説
韓国メディアの論調にも変化
Photo:KHNP
安倍晋三首相の先の米国訪問(4月26日~5月3日)はおおむね成功裏に終わったと評価できるだろう。安倍首相は太平洋戦争への「痛切な反省」を表明し、歴代首相の認識を継承していることを強調した。また日米関係を「希望の同盟」と位置付け、世界の安定や繁栄に貢献していく決意を示した。オバマ米大統領自身が、「日本が今、平和を愛する国になっていることを知っている」と語るなど、米政府の高い評価を得ることに成功したと言える。
特に、4月29日に行った米連邦議会上下両院合同会議での演説(下の写真参照)は、日本の首相としては初めて。日米という「熾烈に戦い合った敵は、心の紐帯が結ぶ友になった」として、両国国民による「和解の努力を尊く思う」とし、自らが掲げる「積極的平和主義」の下で、「世界の平和と安定のため、これまで以上に責任を果たす決意をしている」と力説。安全保障・経済の日米連携をさらに進め、国際的な秩序づくりに協力する新時代に入ったことを広く印象付けた。
出所:外務省ホームページ(写真提供:内閣広報室)
米国務省が「(首相の)訪問がとても成功だったことは明らかだ」と語った(5月6日付朝日新聞ネット記事)ことからしても、これまでの外交・国際関係面の地道な努力が実を結んだと言える。
安倍首相に厳しい姿勢をとり続ける韓国メディアの中でも、これまでにない論調が見られた。例えば、東亜日報は4月29日付社説で「米日同盟の歴史的拡大を韓国は直視しているか」と掲げ、「米国の最も忠実な同盟国として浮上した日本を無視する対日外交を続けるなら、韓米日軍事協力は困難になるかもしれない」として、「周辺国の力学の変化を直視し、未来志向的に対応する複合的な安保戦略が必要だ」と主張した(4月30日付産経新聞ネット記事)。