タカタは、エアバッグ大手で唯一、火薬に暴発リスクが高いとされる「硝酸アンモニウム」を使用している。その点も、公聴会などで追及された。

 しかし、豊田合成やオートリブ(スウェーデン)、米TRWなどライバル各社が使っている「硝酸グアニジン」も、暴発リスクは小さいが、逆に経年劣化で適切に燃焼しない不発リスクが高まるといわれている。

 5月13日には、新潟県の自動車解体工場でタカタ製エアバッグを展開した際に暴発したことが大きく取り上げられているが、不発となった事例もフェアに情報公開されるべきだろう。

 エアバッグ問題に詳しい国際自動車ジャーナリストの清水和夫氏は、「硝酸グアニジンを使う自動車用発煙筒でも4年で交換、タイヤは5年点検・10年交換というガイドラインがある」と指摘した上で、「硝酸アンモニウムに限らず、エアバッグの火薬の“賞味期限”の議論が必要だ」と主張する。

“トヨタ叩き”を彷彿させる報道
振り返るべき教訓

 注意すべきなのは、09年秋以降の“トヨタたたき”でも見られた通り、やはり米国社会のヒステリックともいえる世論醸成だろう。特に今は、競争力を低下させ不満を募らせつつある米自動車部品業界の意向が反映され、米政府や議会を通じて理不尽な難癖をつけてくる可能性が否定できない。

 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉では、自動車部品関税の即時撤廃を求める日本に対し、自国メーカーを守りたい米国は20~30年かけて撤廃すべきと主張している。また、米国では近年、自動車部品カルテルで関係者の起訴・収監者が急増しており、その大半がタカタを含む日本企業であることは特筆に値する(上表参照)。

 11年2月、日米メディアに散々たたかれたトヨタのリコール問題は、「電子制御装置に欠陥はなかった」とする米当局による調査結果の公表で、あっさり幕を引いた。建前の“勝利宣言”に翻弄されることのないよう、報道機関にも当時の教訓が求められている。