—タイトルがなくなるだけでも、けっこうラクかもしれないです。Facebookの投稿はタイトル考えなくていいから続くのかもしれない。
森川 そもそも、どうして機能がやたらと増えてしまうかというと、ものづくりがベンチマーク主義だからです。競合他社をベンチマークして、そこにない機能を入れなきゃって考える。
堀江 それで、ゴテゴテしちゃうんですよね。でも、機能ってじつはそんなに必要ないし、ユーザーがやりたいことだってだいたい決まっています。たとえば、みんなブログを続けていくうちに、だんだんブログのネタがなくなるでしょう? だったらニュースキュレーションアプリから簡単にネタをとれるようにしよう、というアイデアもある。
森川 ああ、いいですねえ。
堀江 僕ね、ライブドアを辞めていちばん困っているのが、僕のアイデアを形にしてくれる受け皿がないことなんです。ライブドアは優秀なエンジニアがいたから、アイデアを話したら1日でプロトタイプ(試作版)をつくってくれたんですけど。
森川 そういう不便さはあるでしょうね。会社、大きくしないんですか?
堀江 うーん、一回大きな会社をつくっているから、そうじゃない会社をつくりたいんですよね。新しいやり方で、新しい働き方をつくりたい、と。
森川 よくわかります。僕も同じ考え方ですね。規模を大きくするのではなく、共感でゆるやかに動いていくようなやり方を考えています。
堀江 新しい仕組みをつくって成功するのが面白いし、チャレンジですからね。
森川 これからは、ゆるやかなネットワークがもっと重要になってくると思うんですよ。上下関係や契約、金銭といったインセンティブに縛られないような。
――堀江さんのメルマガの読者やサロン事業は、まさにそうかもしれませんね。社員ではないけれど、つながっているというか。
森川 そうですね。