「膝が痛くて、毎週のように整形外科に通っている」
「月1回、高血圧の薬を内科で処方してもらっている」
「入院して白内障の手術を受けた」
若いときは病気ひとつしなかった人でも、年を重ねると病気やケガで医療機関を利用する機会が増えていく。
通院している人の割合を比べてみると、40~44歳は3.4%なのに対して、70歳以上になると12.4%。若い人の約4倍もの人が通院している。入院にいたっては、40~44歳が0.3%なのに、70歳以上は3.7%で、12倍もの開きがある(厚生労働省「患者調査」2011年。10万人に対する割合)
受診率の高さは、医療費にも反映される。
2011年のひとりあたり医療費は、45~64歳が27万5700円なのに対して、70歳以上は80万6800円(2012年度「国民医療費」)。若い世代の3倍の医療費を使っている。
こうしたデータを見ると、高齢になってからの医療費負担に不安を覚える人もいるだろう。だが、健康保険があるので、このすべてを自己負担するわけではない。しかも、高齢者特有の受診回数の多さを考慮して、70歳以上の人の自己負担額は、現役世代のそれよりも、かなり低く抑えられるようになっている。
病院の窓口負担割合は
70歳から引き下げられる
医療機関の窓口では年齢や所得に応じて、かかった医療費の一部を負担する。この一部負担金の割合は、70歳未満は所得に関係なく3割(未就学児は2割)。だが、70歳になると2割になり、75歳以降は1割に引き下げられる(ただし、現役並み所得の人は3割)。
以前は、70~74歳の人の窓口負担割合も1割だったが、2014年4月2日以降に70歳になった人から2割に引き上げられることになった。生年月日でいうと、1944年(昭和19年)4月2日以降に生まれた人だ。