たとえばノルウェー。今から10年以上前の2003年に、まず国営企業や複数の州で活動する企業を対象に「取締役は男女ともに4割以上」を義務付けている。その後、2005年には上場企業も対象とし、守れない場合は企業名の公示や企業の解散などの制裁もある。オランダでも、2009年に国営企業や従業員250人以上の企業を対象に2015年までに「取締役は男女ともに3割以上」となった。そしてフランスも、従業員500人以上で、かつ売上が5000万ユーロ以上の企業を対象に、段階的にその割合を上げて行き、2017年1月1日までに取締役会等の女性比率を40%以上とする法律が誕生した。達成しない企業の役員の報酬の支払いについてや、公共入札制限などについてのペナルティーも科せられる。

 日本も、政府等の審議会は女性委員を3割以上にという「努力目標」があるが、罰則はない。安倍総理が、2020年までに企業の指導的立場にある女性を30%に、と国内外で話され、いわゆる「202030 (にーまる、にーまる、さんまる)」と呼ばれるメッセージが浸透して来たが、法律でもなければ、罰則もなかった。だから、今回の女性の活躍推進法案は、大きな前進といえる。

 まず、罰則こそないが、企業等が女性活躍について独自の数値目標を決めて、それらを公表することを課している点が新しい。公表されれば、国民の知るところとなる。就職先としてその企業を調べ、選ぶ学生も増えるだろう。転職先として、優秀な人材が選ぶ際も、見るだろう。

「女性にゲタを履かせるのか!」
そんな男性こそ“ゲタ”を履いてきたのでは?

 企業等の指導的立場にある女性の比率を決めて、積極的に登用することに対して、「女性にゲタを履かせるのか!」と反論する人もいる。「できないヤツを昇進させてどうするんだ!」と、反論する人もいる。しかし、長年「ゲタ」を履いてきたのは、男性だったことを、そろそろ気づかなければならない。長時間働く、定年まで働くという暗黙の了解の上で、男性ばかりに研修機会が与えられ、男性ばかりで会議が進行し、男性同士で高く評価しあい、「子どもも生まないし、休むこともないだろう」という男性を昇進させてきてはいないだろうか。