予測することを覚える
――「さきに起こること」を見ぬく脳の発達
動くものを目で追えるようになった赤ちゃんは、将来を予測することもできるようになります。
精神的その日ぐらしの赤ちゃんに、過去―現在―未来という時間のことを知ってもらう最初です。
ためしに赤ちゃんの目の前で、手にもったボールを落としてみます。赤ちゃんはボールの落ちる軌跡を全部追っていかないで、落ちていく落下予定点に目を向けることができます。
こんな赤ちゃんは、ボールの落ち方がわかり、落下点を予測できたのです。
赤ちゃんの顔にかぶせたガーゼをとるガーゼ遊び(→『赤ちゃん教育』164ページ参照)は、予測することを勉強する遊びの一例です。
この条件づけ反応のごほうびは、声をかけたり、やさしいお母さんの顔を見ることや、皮膚をくすぐってもらうことです。
このごほうびをもらうと、赤ちゃんはもっとしてもらいたくなるのです。
静止しているものをにぎれるようになった赤ちゃんには、移動しているものをとらせます。
床の上をころがってくるボールをにぎらせるには、ボールの動いていく軌跡を予測して、つかむ用意をした手をボールの到着予定点へさきにもっていけるように教えます。
さきのことを見ぬくことは、大脳の前頭前野の働きですが、見えてくるものの予測、聞こえてくるものの予測、次にする運動の予測をすることが、将来、脳力を高めるための基礎になります。