品川女子、佼成女子、
昭和女子昭和にSGH

2016年、首都圏の中学受験はこうなる!<br />新たな受験層が参入する兆しももりがみ・のぶやす
森上教育研究所代表。1953年岡山県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、東京第一法律事務所勤務を経て都内で学習塾を経営後、88年から現職。中学受験生の父母対象に「わが子が伸びる親の『技』(スキル)研究会」(oya-skill.com)セミナーをほぼ毎週主催。著書に『10歳の選択 中学受験の教育論』『中学受験 入りやすくてお得な学校』(ダイヤモンド社)。

 女子校については、15年入試のサンデーショックであらためてキリスト教主義教育の人気の高さが強く印象付けられた。一方、それ以上に印象深かったのは、神奈川の女子校の受験者数の伸び悩みだ。

 神奈川北部の洗足学園人気、あるいは東京西部の鷗友学園女子人気の高さが影響している。また、それだけ受験者数が少なくなっているといえる。

 難度の高い上位校への受験生の集中は明らかで、難関上位校を除けば、多くは2倍そこそこの実倍率だ。

 15年入試では恵泉女学園や東京女学館など中堅人気校がサンデーショックシフトとして、1日午後に入試を実施した。これも、1日午前入試に上位校集中を招いたと思われる。

 ただ、今春の受けやすさの反動で、16年はフェリス女学院、横浜雙葉などには受験者数が戻る可能性が高い。

 女子校入試のトピックとしては、横浜英和が青山学院大学の提携校となったことで前年比7倍近くも受験者数が増えたことが挙げられる。その影響で、横浜女学院など近隣校の大幅減を招いたが、来年も横浜英和は女子のみの募集なので人気を維持すると思われる。

 人気政策ということでは、特に女子校にとって文部科学省のスーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校制度は追い風になった。今春、新たに青山学院など指定校が増えたが、15年入試時点では品川女子学院、佼成学園女子、昭和女子大学附属昭和、共学校では順天、渋谷教育学園幕張、渋渋などがあり、とりわけ女子校にとって追い風になった。

 ただ、グローバル人材養成という点ではSGH指定校にとどまらない。

 英語で入試を行っている広尾学園の英語イマージョンクラスに加え、15年入試では都市大付のグローバル入試が話題になった。16年入試では大妻中野が早々に英語入試実施を打ち出しており、英語入試拡大の兆しを見せている。

 また、大学入試でIB、いわゆるインターナショナルバカロレアのディプロマ取得者に対して門戸が開かれ始めている。これに伴い、中学・高校でIBカリキュラムを導入もしくは導入しつつある東京学芸大学附属国際中教、立教女学院、玉川学園、開智日本橋学園の動きが注目される。

 IBカリキュラムのコアの考え方をスキルとして身に付け学び方の基本に据える探求型授業、あるいはアクティブ・ラーニングという授業の在り方は、次の学習指導要領に導入される予定で多くの学校で取り組まれるようになっている。例えば安田学園の先進コース、かえつ有明のTOKの授業、栄東のアクティブ・ラーニング、広尾学園や洗足学園、佼成学園の反転学習などは実践されている。

 あるいは武蔵学園が武蔵中高のみならず、筑波大学附属駒場、開成、麻布、豊島岡女子学園、大妻、青山学院のさまざまな学校の生徒にオープンに学んでもらうアフタースクールとサマースクールのREDプログラムも2年目の生徒を募集している。

 つまりSGH指定校ばかりではない21世紀型スキルと呼ばれる学び方は、とりわけ新しい大学入試制度との整合性もあって、早急に受験生保護者の関心を引き付けつつある。