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アマゾン対グーグルに新規勢力も乱入!
活況、シリコンバレーの「配達ビジネス」

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第355回】 2015年7月30日
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食事をデリバリーする新興企業マンチェリー(Muncery)。郵便番号を入れると配達可能なメニューがずらりと出てくる

食事のデリバリーが最も熱い

 これ以上に激しい競争の場になっているのは、食事のデリバリーである。こちらでも、新しいスタートアップが次々と生まれており、それぞれのスタイルでしのぎを削っている。

 地元の独立シェフらと契約して日がわりのメニューを用意し、でき上がった食事を届けるものには、マンチェリー、スプリグなどのサービスがある。パッケージに入った食事を、オーブンや電子レンジで暖めて仕上げるだけでいい。だいたい午後早い時間までに注文すれば、夕食時にデリバリーされるしくみだ。

 食事の材料を届けてくれるサービスには、ブルー・エプロン、プレイテッドなどがある。1週間分の夕食のメニューがあり、それに必要な食材が届く。自分で料理はしたいが、買い物もメニューを考えるのも面倒という人々に合っている。

 会員になり、毎週最高で朝、昼、晩21食分の食事をパッケージで届けてもらえるのは、フレッシュリーというサービスだ。朝食、昼食、夕食を何食分ずつか選べるコースもある。いずれにしても、電子レンジで暖めるだけで食べられ、健康にも留意した新鮮な食材を利用していることが売りだ。

 これらの食事サービスの驚くべき点は、1食分の値段が10ドル前後であるということ。ピザや中華料理をテイクアウトしても、それに近い値段になるのだが、もっと健康的でおいしい食事をデリバリーで届けてもらえる。どうやって儲けを確保しているのか、不思議になるほどのお得感である。

 これ以外にも、普通の人々がレストランのテイクアウトを持ってきてくれるサービスなどもある。食のデリバリーは、味と知恵と値段の激しい競争になっている。

 こうしたデリバリーのおかげで、少なくとも都市部に住んでいれば、アメリカでは食事が懸案になることがますます減っている。クリックさえすれば、解決する。レストランにとっても、デリバリーサービスは手強い競合相手となっている。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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