外務省の基礎データによると、61% がイスラム教徒のマレーシアからは2012年に13万0183人、2013年に17万6521人、2014年に24万9521人、そして2015年は上半期だけで13万3600人と、顕著な増加傾向にあることがわかる。

 同じく88.1% がイスラム教徒のインドネシアは、2012年に10万1460人、2013年に13万6797人、2014年に15万8739人と推移している。さらに、2015年は上半期だけで9万6700人に達し、前年を大きく上回る見込みだ。

 大多数がイスラム教徒のトルコのデータも見てみよう。2012年には1万0508人、2013年には1万2464人、2014年には1万4766人、2015年は1~4月だけで5567人にも上る。

 ブランド総合研究所のデータ によると、世界のイスラム教徒16億人のうち、東南アジア・西アジアに住むイスラム教徒は10.5億人にも上るという。今後、前出の3ヵ国をはじめ、アジア各国を中心としたイスラム圏と日本との経済的なつながりは、より強固になっていくだろう。結果、イスラム圏からの観光客が増え続けることは間違いない。

LCC普及、中間所得層増加、ビザ要件緩和
「ハラールマーケット」が拡大する要因

 こうして、近年ハラール関連産業が発展してきた背景には、東京五輪招致の他に何があったのか。国内市場においては、大きく2つの要因があると松井氏は話す。

「1つ目は、少子化などに伴う国内市場の縮小に危機感を覚えた食品メーカーが、海外に活路を見出したから。特にアジア・中東を中心とするイスラム圏への食品輸出を考えるなら、ハラール認証を取得しなければなりません」(松井氏)

 ハラール認証食品を製造するためには、食品メーカーに限らず物流や倉庫、包装、流通などを含め、あらゆる工程でハラール対応する必要がある。様々な業界・業種と連携していかなければならない。そのため大手物流や倉庫なども、ハラールへの高い関心を持ち始めているようだ。

「2つ目は、訪日外国人の増加です。この3~4年はLCC(格安航空会社)が日本に就航し、安く渡航できるようになったり、イスラム圏の人々の平均所得の上昇で中間所得層が育ってきたり、日本政府もマレーシア・インドネシア人のビザ要件を緩和したりと、イスラム圏の人々にとって来日しやすい環境が整ってきました」(松井氏)