──サムスン電子をはじめ韓国メーカーが、欧州では白物でも高いシェアを持っているが、なぜパナソニックをはじめ日本メーカーは苦戦しているのか。
シェアを拡大させることの意味は何かという問題もある。韓国メーカーは生産投資をかなりやって、それが販売の量につながり、シェアにはねかえってくる。販売の量を追えば、市場でのシェアやプレゼンスは自然と上がる。
一方で、それがプロフィッタブル(利益が大きい)かというと、決してそうではない。我々としてはひたすら量を追うというより、しっかりと利益の出せる体制ありきの話で、過去のテレビのような失敗は許されない。
──依然として白物のシェアでトップ10にも入らない欧州で、拡大戦略をとることの意味は何か。
欧州全体でみれば、市場としては飽和している。新興国のような成長市場ではないし、今後事業継続が困難になるリスクを抱えている地域でもある。
ただ、欧州での事業の成長は、アジア市場にも波及してくる。中国をはじめアジアの人たちは、欧州の文化や製品に対する憧れがあるからだ。
今後の中国、アジアでの事業成長に向けても、欧州でしっかりと事業の足場を固めることは大事だと考えている。
──白物家電における戦略投資の考え方は。
戦略というからには、各事業に対して投資の優先度が明確にあるが、非連続な成長に向けて、白物家電で何百億円という投資をするフェーズにはない。