自分だけでなく
「配偶者」の年金も含めて知ろう!

 年金額を調べる前に、老後の年金の仕組みを知っておきたい。図①は、夫が会社員、妻は専業主婦の夫婦が受け取る年金のフローチャートだ。年金制度には詳細な要件があるが、仕組みを表すための簡略化した図であることはご了承いただきたい。

 年金の受給開始が65歳となる昭和36年4月2日以降生まれの夫と、昭和41年4月2日以降生まれの妻をモデルケースとしている。このモデルより年齢が上の人は、生年月日に応じて60代前半に厚生年金の報酬比例部分を受け取れる。「自分の場合」と「配偶者の場合」の受給開始年齢を日本年金機構のサイトにある早見表(PDF)で確認しよう。

 会社員の年金制度は2階建てと言われている。1階部分が老齢基礎年金(国民年金)で、今年度の年金額は40年間保険料を支払って満額が78万100円(以下、約78万円)。保険料納付済み期間などにより金額が決まる。

 2階部分は厚生年金の報酬比例部分。加入期間や働いていた時の平均給与によって決まるため、人によって金額は大きく異なる。モデルケースは、報酬比例部分を年120万円とした。

 1階部分の下にある「加給年金」とは、年金の「家族手当」のようなもの。夫の厚生年金加入期間などいくつか受給要件があるが、このケースの場合、夫は5歳年下の妻が65歳になるまで年約39万円受け取れる。

 妻の年金は、老齢基礎年金が約78万円(加入期間40年として)。独身時代など厚生年金に加入していた期間があれば、期間や平均給与の額により老齢厚生年金の報酬比例部分を受け取ることができる。働いていた期間が短いと金額も少ないため、図では「+α」とした。

 図の上部分にある「世帯収入」も見てほしい。夫が65歳になると年237万円(月約20万円)、妻が65歳になると276万円+α(月約23万円)、そして夫が妻より先に死亡すると妻の年金額は168万円(月約14万円)となる。これは額面の年金額。国民健康保険や介護保険の保険料や税金を差し引いたものが、年金の手取り収入となる。

 世帯収入の推移を見てわかるように、世帯の年金収入が最も多くなるのは、妻が65歳で自分の基礎年金を受け取るようになり、夫が死亡するまでの間。コンサルティングの際、チャートに金額を書き入れながら「ご主人も長生きするのが収入面で安心なんですよ。ほら、遺族年金だと年金がずいぶん少なくなりますね」と奥さんに冗談っぽく話すと、後日、ご主人から「あれから妻が健康面に気を使ってくれるようになりました。何より食事がヘルシーになりびっくりしています」といったメールをもらうことがある。