入山 なるほど。本当はポテンシャルのある学生が、好きな科目をどんどんやって伸びるという可能性もあるわけですね。しかも安いから学校でも導入できると……これはすごいな。

山口 さらにいえば、文部科学省が提唱しているように今後高校には、ディベートなどのアクティブラーニング型授業が要請されていきます。

 そういったアクティブラーニング型の授業を、先生方がゼロから準備すると負担が大きい。だから受験サプリでは、藤原和博さんの「よのなか科」や、マイケル・サンデル教授の哲学など、大学の教養学部みたいなコンテンツを、沢山準備し始めていてるんです。さらに、それらの動画を使ってどのように授業にすればいいかというティーチャーズガイドや、生徒のディベート用のフレームワークシートなども作っています。

入山 山口さんが目指しているのは、単なる教育業界の価格破壊じゃなくて、もっと根本的に、「学ぶことの、あるべき姿」の理想像を描いて、そちらに社会を持っていこうされているように見えますね。

山口 そう、そうなんです。他にも、教育アプリを海外8ヵ国で展開するQuipper社をこの春買収して、インドネシアやフィリピン、メキシコなど8ヵ国で事業を展開できるようになりました。まずは8月末にインドネシアで、受験サプリの動画作成ノウハウを活かしてオンライン動画授業サービス『Quipper Video』をスタートしました。

 今後は提携校の学校と国際交流のディベート授業などもやってみたい、と妄想をしています。

 例えば同じタイムゾーンの国同士なら、放課後の時間は、ほぼ一緒ですよね。ここをインタラクティブな機能で繋いで、例えば東アジアの平和についてフィリピンと日本でディベートすることも可能です。そういうこともできると、もっと面白い教育のインフラになるんじゃないかなと思っています。

入山 お話を聞いていると、おそらく日本の40代、50代といった世代の人たちにも何かニーズがありそうですね。それこそ教養の必要性に迫られているけど、その学びが追い付かずに結構苦労している人たちがいますよね。

山口 実は、当初はターゲットとして意識はしていなかったのですが、有料会員16万人のうちの10%ぐらいは社会人です。

入山 ええっ、どういった層なんですか。

山口 例えば先生や先生を目指している教育学部生。あとはシニアの方が教養目的で利用するとかですね。

 例えば、受験サプリで提供するコンテンツでは、現代文の先生も、いわゆるカリスマ講師の方です。しかも題材に挙げるコンテンツが、必読と言える世界の名著ばかりなんです。こう言った名講師の講義で、名著の本質的な読み直しができるから役立つという声も聞きますね。

入山 メチャメチャ面白いですね。いまは教養本が流行っていますし、テレビでは池上彰さんの人気も根強いですよね。受験サプリのサービスだと、一流の講師が、それをものすごく高いレベルで、わかりやすく見せることもできるんですね。

※後編『なぜ「受験サプリ」は、オンライン予備校市場で一人勝ちできるのか?』はこちらです。

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