コリンの最も大事な働きとは?

 特に大事な働きは、ワーキングメモリーを保つ働きで、ここのアセチルコリン細胞が働いてワーキングメモリーでの記憶保持が可能となります。

 肝臓の働きが悪くなる(たとえば、肝機能障害)と、アセチルコリンがつくられなくなり、手や足がうまく動かせないだけでなく、認知や記憶の障害が起こったり、老人では認知症の症状が出てきます。

 アルツハイマー型認知症の症状を軽くするのに使われている薬に、前脳基底部内の神経細胞で働くアセチルコリンの働きをよくしているのがあります。

 アメリカの農務省所属の研究所が、コリンの必要量を計算して発表していますが、コリンの目先量(必要量が実験で決められない場合、食べている食料品から、計算して出した値)は、男性で550mg/日、女性では425mg/日となっています。
 1~3歳で200mg/日、4歳から9歳で250mg/日です。

 普通、どれくらい摂取しているのか、きちんとしたデータがないのですが、私は目先量の半分の量を摂取することを勧めています。

 多量に摂取して中毒が起こるのは3g以上です。
 コリンを含む食品としては、だいたいの目安として、鶏卵(大サイズ)1つで160mg、大豆100gで120mg、小納豆1箱で50mgなどがあります。

 コリンがそれぞれの食品にどれくらい含まれているかを知りたい方は、洋書ではありますが、下記の参考文献を見ていただければと思います。
 毎日、摂取することを勧めたいと思います。

【参考文献】
“USDA Database for the Choline Content of Common Foods Release Two by Kristine Y. Patterson, Seema A. Bhagwat, Juhi R. Williams, Juliette C. Howe, and Joanne M. Holden Nutrient Data Laboratory Agricultural Research Service U.S. Department of Agriculture January 2008”