「菌活」という言葉が、かなり浸透している。だが、「乳酸菌がいいんだっけ?」「発酵食品を食べるんでしょ?」程度の認識で、実際の「活動」についてはよく知らないビジネスパーソンも多そうだ。
そもそも菌活の「菌」とは何をさすのか? 主にきのこの開発・生産・販売を行い「きのこ総合企業」を標榜するホクト株式会社が、2013年ごろ宣伝の中で用いたのが「菌活」の初出と言われている。つまり当初の意図はきのこという菌そのものを食することにあった。
その後、主に女性の間でブームとなり、きのこというよりはヨーグルトや塩麹などの発酵食品全般を対象とした現在のかたちに至る。「活動」といわれても発酵食品やきのこを食べることしか思いつかないが、実際「菌活」のメインは菌を日常的に摂取し、体内の善玉菌を増やすことにある。
菌活に興味はないが毎日納豆やヨーグルトを食べているという人は、知らず知らずのうちに活動していたと言っていい。ただし、広義での菌活は意識的に菌を摂ること、発酵食品や菌類を豊富に摂れるレシピを日常生活に取り入れるということだろう。
低カロリーなだけじゃない!
こんなにあった菌活のメリット
では菌活のメリットはどこにあるのか。まずきのこの長所は食物繊維、ビタミンB類、ビタミンD2(植物性ビタミンD/エルゴカルシフェロール)ミネラルなどの栄養素を豊富に含んだ低カロリー食品であること。食物繊維を多く含むので便通にも効果がある。
発酵食品の多くもそれ自体は低カロリーである。乳酸菌などの善玉菌や、善玉菌を助ける菌を含み、腸内環境を整え便通を促す効果がある。