「爆買い」する人たちは自分たちの行為が非愛国的だということを念頭においているのだろうか。それは必ずしもそうでなく、彼らは愛国と「爆買い」を分けて考えているのだ。

 10月2日、ネット上で「愛国主義はどうして日本での買い物ブームを止めることができないのか」と題した文章が発表された。愛国と個人の消費行為は別物であり、「愛国」とは相互性のあるものだという。

「私たちが両親を愛するのは、私たちを育ててくれたからだ。それと同じように、国を愛するのは、国から様々な公的サービスを受けたからであり、お互いさまのものだ。消費行為は単に自分の欲求を満たすためのもので、愛は関係ない」と指摘し、さらに「中国の物を買うことは確かに愛国的だが、(中国は)鎖国しているのではないのだから、海外の物を全く買わないということはできない」と述べ、外国の物を買うことは決して非愛国的でないとしている。

 海外で買い物をする理由は「品質に惹かれる」ためであり、これは中国の製造業への不満の裏返しでもある。日本の米を例にとり、「日本の食品は安全性に関する基準が厳しく、それに基づいて厳格な検査を行う。それに対し、中国の食品にも安全基準はあるが、それが厳格に実施されていないところが問題」と指摘する。

 筆者は、中国の人々は「爆買い」を通じて、中国製品に無言のプレッシャーを与えていると見る。

 これまでの中国は顧客からの声を無視することができた。だが、市場経済を基礎においた経済に転換した現在、顧客の声は競争を勝ち抜くうえで重要であるし、現に中国の人々もものを言うようになっている。

 市場経済は競争を前提としており、中国の製品もまた外国製品との競争に勝ち抜く必要がある。このプレッシャーを糧に中国製品が向上すれば、結果として彼らのとった行動は「愛国的」ということになると思う。

領土や歴史は譲れないが
日本の製品や文化は好き

 中国人は小さい頃から愛国主義教育を受けているため、日本に対し厳しい態度であるとみられるが、必ずしもそうではない。中国の外交にもいえることだが、中国人には絶対に譲ることのできない「原則問題」があり、歴史問題や領土問題はそれである。中国人は原則問題では絶対に妥協せず、「日中友好は大事だ。だが、原則問題については譲歩しない」と考える。

 筆者が日本語教師をしていたころのある学生は、日本のアニメには興味があるが、歴史問題について言及すると、「なぜ日本は認めないのか」という態度になった。