子どもが留年したり
大学院に行けば家計は火の車に?!

 グラフの根拠となる「簡易CF」は図②と③だ。まず、「貯蓄額が年50万円ペース」から見てみよう。

 スペースの事情により、途中数年間を省いた表としている(省略した年も「毎年50万円貯蓄」の前提)。

 先にも触れたが、子どもが大学進学すると貯蓄残高が急激に減り、資金繰りが厳しくなるのが見てとれる。貯蓄が心許ないからといって安易に教育ローンや奨学金を利用すると、自分たちの老後や、子どもが社会人になってからの生活を脅かすことになりかねない。借り入れをするなら、現状の家計を改善したうえで、返済の目処が立つかどうかをよく試算する必要がある。

 退職金で住宅ローンを完済して、老後資金として残るお金が1000万円。う~ん、十分とは言えない金額だ。定年後も再雇用で働くつもりだとしても、収入は半分以下になるので、60歳以降は「貯められない」のである。

 60歳前半は、支出を見直して「減った収入でトントンの暮らし」を目指さなくてはいけない。貯められなくてもいいから、老後資金の取り崩し(年間収支のマイナス)は避けるべきと覚えておこう。

「いい試算結果」は貯蓄の
モチベーションアップにつながる

 次は、毎年100万円貯めているケース。

「年100万円」ペースで貯めていくと、老後資金の目安である3000万円が確保できる。年50万円と年100万円では、将来の貯蓄額に大きな差となることがわかるだろう。

 もちろん、「年50万円」のケースに比べ、40歳時の貯蓄残高は多く、60歳時の住宅ローンの残高は少ない設定なので、「いい試算結果」が出るのは当然だ。

 この作業で大切なのは、簡易CFの試算をもとに「毎年の目標貯蓄額」を見つけて実行することだ。現状の貯蓄額で60歳時の貯蓄残高を試算し、それに問題があるようであれば、毎年の貯蓄額を引き上げてみる。

 決めた目標額が達成できない年もあるだろう。長い間には不測の出費もあるはずだ。今年は少し届かなかったから、来年はプラスアルファ貯められるように何とかしよう、といった具合に1年ごとに振り返りながらプランを修正していこう。

 現状の貯蓄額を引き上げるには、何らかの家計の見直しが不可欠だ。このコラムのバックナンバーを参考に具体的な対策を考えてみよう(「関連記事」を参照)。